『君の奏でる音楽』
高校生の頃、男子校の文化祭に行って
ベースを弾く姿に一目惚れした
全く知らなかった、外国のベーシストの
弾き方を真似していると聞いて
そのバンドのCDを聴いた
映像を探して見た
その恋は叶わず
彼の名前も忘れてしまったけれど
あの頃聴いていた音楽たちを耳にすると
もうどこかに置いてきたはずの
高校生らしい切ない感情が
胸のどこかにしまわれているのを感じる
『麦わら帽子』
白い前開きの半袖に
黒い帯の麦わら帽子で
作業をしているおじいさん
そのつばの大きさが
素敵だなぁと思うのです
『終点』
大人になってから
読み直した「銀河鉄道の夜」
子どもの頃は、よくわからない不思議なおはなし、
という感想だったけれど
大人になった今、終点へ向かうこと、
別れる辛さ、別れにむかう潔さ
大人たちの気持ち、が胸に迫ってくる
そしてやっぱり
夜空が怖いまま
『上手くいかなくたっていい』
なにかと不安が先に立つ
ああなったらどうしよう
こうなったらどうしよう。
と、
目的が違うAとBとCとDがあったとき
いかに効率よく回れるか
目的と場所を比較して組み立てて
無駄のないように動きたい。
予定通りできない自分に腹が立つ。
これが
自分でも持て余す
わたしの二大特性
抱えているのはとても苦しい
なので
これくらいできたからよかったよ
頑張ったけど仕方なかったよね
と、自分を許すことを意識している
こうありたい、という理想を持つことは忘れずに。
『蝶よ花よ』
「多く女児に対し、非常に可愛がり大切にすること」
と、辞書にある
かつては女児だったわたしに
その記憶はない
“お姉ちゃん”でもあったから
むしろ、下のきょうだい達を
うらやましく思っていた
ひとつ覚えているのは
もう女児ではない、高校生の冬休み
同級生に届いた仕分けのアルバイト募集
わたしには案内が来ないまま
あれは両親が隠していたのだと
大人になってから聞いた
理由を説明されたはずだけど覚えていない
それも「大切」の一種だったのか
わからない