金雀花

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11/14/2024, 6:20:17 AM

『また会いましょう』

半年ぶりに帰省した
親はもう、わたしをわたしだとわからない
それでも、様々な話をしてくれた

帰り際
「お構いもしませんで」
という父
「こちらこそ、お邪魔しました
また会いましょう」

曲がり角まで大きく手を振りあった

11/7/2024, 10:28:25 AM

『あなたとわたし』

子どもの頃から鏡が怖い
向こうにいるわたしが本当のわたしで
ここにいるわたしは偽物なのか
という思いが、大人になった今でもある

少し前に引っ越した、
前の家にも
なにも変わらず“わたし”がいるのでは
という思いにかられるときがある

そのわたしが
わたしを見たときどう感じるのか
確かめてみたい

10/27/2024, 10:44:22 AM

『紅茶の香り』

まだ実家に残しているのか
子どものころ、ティープレスで紅茶を淹れていた
フィルターを押し下げるのが楽しくて
兄弟で競って押していた

子どもだったので飲ませてもらえなかったのか
その紅茶の味は覚えていないけれど
いま、ティーバッグで淹れるたび
香りで風景を思い出す

10/25/2024, 12:55:33 PM

『友達』
顔も身長も本名も年齢も
住んでいるところも仕事も

全く知らない、SNSだけの繋がりのほうが
“友達”という感覚になれるのは
むしろ、そういう外的要因が排除されたなかで
言葉の選び方だったり、組み立てかたで
その人の芯が伝わってくるから。

10/12/2024, 9:30:08 AM

『カーテン』

前のおうちのとき
カーテンの測りかた間違えて
丈が長くて
そのせいか汚れやすく
それなのに
たまに、気が向いたときしか洗わなかったけど
色とデザインがとても好きだった

引っ越すにあたり
処分することを決めたけれど
愛おしくて
いつまでも触っていた

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