5/13/2025, 12:28:47 PM
『記憶の海』
小さい頃、お父さんの布団で寝るのが好きだった
夜中に目を覚まし、
いつかお父さんが死んじゃうのかと
そのいいしれぬ不安をまだ覚えている
帰省するたび
いつまでも子どもは子ども、と
新幹線代を用意し続けてくれたお父さん
もうすっかりしまい込んでいた記憶が
不意に押し寄せてくる
もうすぐお別れですね
あなたの子どもとして
この世に送り出してくれてありがとう
3/30/2025, 2:45:37 PM
『春風とともに』
お城のぐるりを囲む公園は
バーベキューOKで
毎年、大丈夫なのか心配になるけれど
休日だけくるキッチンカーのなにかと混ざって
ふわりと匂いが漂ってくるのは
とても楽しみ
今日は誕生日でした
今日からまた頑張って
けれど無理のない範囲で書こうかな
3/10/2025, 11:58:34 AM
『願いが1つ叶うなら』
おとうさんとおかあさんのあいだに生まれ直したい。
いうことを聞いて勉強も手伝いもして
ちゃんとしたところに就職して
親を大切にしてくれるようなひとと結婚して
孫の顔を見せたい
11/14/2024, 6:20:17 AM
『また会いましょう』
半年ぶりに帰省した
親はもう、わたしをわたしだとわからない
それでも、様々な話をしてくれた
帰り際
「お構いもしませんで」
という父
「こちらこそ、お邪魔しました
また会いましょう」
曲がり角まで大きく手を振りあった
11/7/2024, 10:28:25 AM
『あなたとわたし』
子どもの頃から鏡が怖い
向こうにいるわたしが本当のわたしで
ここにいるわたしは偽物なのか
という思いが、大人になった今でもある
少し前に引っ越した、
前の家にも
なにも変わらず“わたし”がいるのでは
という思いにかられるときがある
そのわたしが
わたしを見たときどう感じるのか
確かめてみたい