金雀花

Open App

『記憶の海』

小さい頃、お父さんの布団で寝るのが好きだった
夜中に目を覚まし、
いつかお父さんが死んじゃうのかと
そのいいしれぬ不安をまだ覚えている

帰省するたび
いつまでも子どもは子ども、と
新幹線代を用意し続けてくれたお父さん

もうすっかりしまい込んでいた記憶が
不意に押し寄せてくる

もうすぐお別れですね

あなたの子どもとして
この世に送り出してくれてありがとう

5/13/2025, 12:28:47 PM