欲望
思い出すだけで呼吸が乱れ、頬が紅潮してしまう
臍の下が疼き、体が火照り熱くなる
見つめてくる目、艶かしい声、上擦り余裕のなさそうな互いの吐息
触れ合う肌同士はいつもより敏感になり、熱を感じ取る
横にはいないのに見たもの感じたもの触れたもの全てを鮮明に記憶が思い出させてくる
嗚呼、辛い
以前はぎこちなかったのに様になってしまった前髪を耳にかけてくれる手も、いろいろ我慢してるのに可愛いと微笑みかけるのも痛いくらいに抱きしめてくれる腕も、私の口内を蹂躙する分厚い舌も、いい匂いのする首筋も、少し髪質が硬めだが撫でるのに丁度いい髪も、今ここには無い
あるのは私の行き場を失った醜い欲望だけ
触れたい、触れたい、触りたい、触られたい、
止めどなく押し寄せてくる欲求に飲み込まれそうになる
こんなにあなたを想ってしまうのは私だけなんだろうか
私は、そういう欲が強いのだろうか
人間の三大欲求のうち1番欲がなかったのに
でもあなたに変えられていると考えると悪くないと思ってしまう
嗚呼、辛い
あなたも同じですか?
私と知らないところで私を思い出してますか?
こう考えるのはおかしいかもしれないけれど
私を思い出して欲を発散させているのなら少しだけ嬉しいかもしれない
喧嘩したとか
怒られたとか
上手く出来なかったとか
ああすればよかったとか
もっとよく出来たとか
もう考えなくていいんよ
今日はもうすぐおーわり!
一日が終わりそうなんだからあとはYouTube見て
好きなお菓子食べてゆっくりお風呂入って
好きな人とちょっとLINEして
明日話せるといいなって思って寝るの!
今日にさよなら!
さあ来い楽しい明日!
あなたは多分気づいてないあなたの可愛いところ
私だけが知ってる愛おしいところ
きっと他の人は知らない
知らなかったら…少し優越感
2人の時にしか見せないその顔がお気に入り
それは、私がキスしたいと思ってることに気づいた時のあなたの笑顔
それが見たくてちょっとだけ躊躇うふりをしている
私がキスしたい事に気づいたあなたは最初は笑うのを我慢する
でも口角が段々上がって口を隠してしまい、顔も背けてしまう
そしていつもの顔に戻ったと思ったら、あなたからキスをおねだりしてくれる
あなたなりの優しさかもしれない
気を遣わせてしまっているかもしれない
それでもやめれない
自意識過剰かもしれないけど私が愛しくてたまらないって顔をしているあなたをもっと見たいの
だからもっと見せて
誰も知らないあなたを見せて
友達にも、家族にも先輩にも後輩にもあげてない特別なやつ。
私が夜遅くまでレシピを見ながら作ったやつ
あなたの為だけに作ったやつ
ちゃんと思いも届きましたか?
この場所で…絶対に…
あの人にチョコを渡して告白する!!
この場所は私が初めてあなたを見た場所
そして恋に落ちた場所
あなたとの関係が新しく始まるのも終わるのもどちらでもここがいい
だから…真っ直ぐ目を見て私!
口を動かせ!
考えてきた言葉を綴って!
………好きです。
私の恋人になってくれませんか