智郷めぐる

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5/25/2023, 10:20:04 AM

いつまでも降り止まない、雨。
雨宿りに選んだのは君の隣。
もう少し、あともう少し長引いてくれたなら、勇気も出るかもしれない。
深呼吸して、思い浮かべて、でも、口が上手く動かない。
伝えたい言葉と知ってほしい気持ちが、雨音に消えていく。
聞こえていないといい。
困らせたくないから。
それなのに、君はわたしの手を遠慮がちに握って言った。
「僕も好きです」と。

5/25/2023, 9:54:52 AM

あの頃不安だったわたしへ。
生きてるよ。
だから、あなたが選んだ解決法も、逃げた場所も、間違っていなかったってことだ。
この世界は、思っていたよりも、全てのことに無関心で。
あなたが苦しもうとも、喜ぼうとも、絶望に膝から崩れ落ちても、希望に縋っても、誰もその声を聞いちゃいない。
それなら、好きなだけ好きなように叫んだらいい。
大声で歌い続けたらいい。
わたしの不安よりもずっと脆くて小さなものに、負ける必要はない。
勝つことを恐れないで。
進め。

5/6/2023, 12:31:58 PM

明日世界がなくなるとしたら、何を願おう。
わたしの命じゃ釣り合わないほど、世界は重いのかしら。
あの人の命を賭けても負けるほど、世界は強いの?
滅ぶ理由は何?
八千光年以内で起こる極超新星爆発を起因としたガンマ線バースト?
地軸の反転による突然の氷河期?
それとも、神様が人間を呪ったから?
何にせよ、不愉快なことに変わりはない。
願いもしないし、祈りもしない。
今からでも遅くないね。
勝手になくなるくらいなら、わたしの手で亡ぼそう。
さようなら、世界。

5/2/2023, 11:12:59 AM

愛してるとか恋してるとか、浮ついた言葉で飾られた歌詞の歌ばかり。
そんなもので泣くほど純粋じゃない。
でも貴方が好きなのはそういう子でしょう?
どうしてわたしに聞かせるの。
どうしてわたしのために選ぶの。
どうしてわたしの名前を呼ぶの。
優しくしないで。
わたしはもう、死んでいるのだから。
新しい日々を生きて頂戴。
豊かに季節を彩る花々に気づいて。
貴方が眺めるべきなのは、無機質な石の塔なんかじゃなくて、風に流れる雲。
一日の始まりを告げる黎明の空。
白い月。
そして、貴方を幸せにしてくれる誰かの笑顔。
さぁ、立って。
歩いて。
振り返らずに。
わたしは静かに星になるわ。
貴方の優しさが救う世界を見るために。