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11/7/2025, 2:25:58 PM

「灯火を囲んで」

ゆーら、ゆーら、ゆーら、
子供たちのはずなのに低い低い声が私の耳へ入ってくる。

ああ、なんでこんなことをしているんだろう。

目を閉じると見える真っ赤な炎。

その周りを囲む可愛らしい子供たち。

でも、でも、親は何処にいるの?
なぜ、なぜ、笑っているの?

分からない、分かりたくもない。

11/3/2025, 11:51:57 AM

「行かないでと、願ったのに」

もしも、あの場所に居たのが私じゃなかったら。
貴方は私を好きになっていなかったでしょう。

恋、なんてその時の状況で変えられてしまうものだから。

きっと私たちの関係もそう、些細なことで変わってしまう、脆いもの。

でも、それでも良かった。
貴方の温かい手のぬくもりを知れたから。
少し高い声で名前を呼ばれると、世界が優しく見えたから。

人間はなんて愚かな生き物なのでしょうか。
いつか終わりが来る愛に、恋に、価値を生み出してしまったのだから。

11/2/2025, 10:41:14 AM

「秘密の標本」


みんなには秘密ってある?僕はあるよ。
例えば、賑やかな場所より静かな場所の方が好きなこと、パンは嫌いだけどフランスパンは好きなこととか。

「ん?これは秘密じゃないか」

まあ、そんなところ。
秘密って誰にも言えないことだから秘密なんだけど、人の秘密ってとっても知りたくなるよね。

「ねぇねぇ、私ね、」
「おい、秘密だぞ、俺」

でも人は、そんな誰にも言えないことを楽しそうに人に伝えようとする。なんでだろう。

それなら別に秘密じゃないじゃないか。ただの君自身の話だ。それを特別感を出して言うことは、少し違うんじゃないかな?

「こんなこと考えても仕方ないか」

そうだ、こんなきっと変わらない人の習慣を、今更考えたって意味は無い。
でもいつか、僕の知らない沢山のことを、知れる日が来ると今は願おう。

10/5/2025, 1:48:13 PM

「moonlight」



空に輝く星のように、僕も誰かを照らせる存在になりたかった。
そんなこと無理だって分かってるけど、思わずにはいられなくて。

僕の周りの人はみんなきらきら輝いていて、どうしてそんなに明るいままでいられるんだろうって、不思議に思っていたし、嫉妬だってした。

誰かのために、何かのために頑張れる人。

なんだろうな、きっと。

僕にはそんな人いないし、目標なんてない、つまらない人間なんだ。

いっそその光で僕を消して欲しいよ。

10/2/2025, 10:47:04 AM

「遠い足音」


鯨が踊っている海で、水飛沫を浴びながら立っている。

聞こえるのは人魚姫の鼻歌。

悲しいかな、水浸しになった自分の頭はもう使えない。

考えることを放棄せざるを得なくなった。

これからどうしようか。

濁った水面に浮かんだゴミのような世界で、

果たして生きる意味はあるのか。

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