思い出がゆっくりだんだん薄くなり、
悲しいことは思い出さないようになって
夏が来て、秋が来たときには
春にあった別れのことなんか覚えてないと思う。
そうであってほしくて、
春から夏に過ぎゆく梅雨に瞳を濡らす。
いま感じる悲しみに
しっかり向き合ったほうが
はやく忘れられる気がするから。
タコになった夢を見た。
ぶくぶくと立ち上る泡を見ながら、
岩陰で静かにそっともたれかかっていた
自分が子どもの時のことや
これからのことを思おうとしても、
何も考えが浮かばなかった。
ましてや、自分の年齢すらわからなかった。
無数の泡が上がってゆき、
どんどんどんどん時が過ぎていくのがわかった。
向こうでは、何か海藻がゆらゆら揺れて
異なる時間のスピードを刻んでいる。
いつの間にか、さっきよりどことなく
自分の吸盤がボロボロになっていることに気づいた
そんなに時が経っていたのかと、
思わず岩の中に引っ込んだ。
岩の中から見ると、
泡はさらに勢いを増しているように見えた。
金曜日の夜がうれしい
うれしすぎて、ぶどうジュースを買ってみた
シェイクしてゼリーになるタイプ
シャカシャカ振って歩いて帰って、
途中のベンチに座って飲んだ。
まだだいふ液体。
もっともっとシェイクして、
自然となんだか、つられてスキップ
家に帰ったら残りを飲もう!
金曜日の夜、わたしに乾杯
下を向いたとき、そこに本来見えないはずの
上にあるものが映っているなんて素敵だと思う。
あの惑星の端っこで、
もしも一人ぼっちになったとして
下を向いた時に太陽がみえたら
どんな気持ちになるだろう。
もっと可愛くなりたくて
おしゃれになりたくて、
服とかメイクとか、こだわってみる。
今の自分に似合うものってなんだろう。
鏡よ鏡、私のことをいちばん私らしく
とびきりのお姫さまにうつし出して
私の体は私のもので
私のすべてが私のものだと
最近しみじみ感じたりする