約束してほしい。
いつか忘れてしまうけど
絶対なんてないんだけれど
もし、覚えてたらでいいけど
約束してほしい。
花の土が乾いてきたら水を一吹してね
毎日朝は雨でもカーテンを開けてね
あまり考えすぎないで、
つらいことがあっても23時には寝るのよ
自分に自信を持って、大丈夫。
明日もきっと頑張れるよ
楽しいことがたくさんあるよ
思っていなかったことも、いっぱい起こる。
世界はかがやきと、きらめき、
ゆらめきでできていること
忘れないでいてね
展望台から見る景色は、
キラキラしていて美しい
雨の日や曇りの日は、
窓が曇っていて見えないけれど
もし見えたら無数の傘が
あるんだろうなあ、と思う。
カラフルな傘のなかで、
幸せな思い出の中に悲しみを抱え
つらい思い出の中に一掴みの希望を抱き
目的地へと向かう。
さっきまで、
向こうが見えないくらいの
大雨が降っていて、白い滝のようだった。
だんだんと雨が弱まってきて、
視界がクリアになってわかった。
わかった、わかった、わかった。
たくさんのことが見えてきて、
ため息をつく。
勝ち負けなんてどうでもいいけど
勝てるなら全部勝ちたいし
負けても次にはいかしたい。
勝ち負けなんてどうでもいいけど
しっかりゲン担ぎもして
ミサンガなんてつけちゃったり。
カツ丼なんて食べちゃったり。
神社にお参りしちゃったり。
おみくじひいて末吉とかだと
見なかったことにして、くくりつけちゃったり。
勝ち負けなんてどうでもいいけど
後悔のないようには生きていたいから
時間になったら家を出ます。
小説を買うか迷うときに、
最後の方のページを先に
パラパラめくってしまうことがある。
バットエンドなのかハッピーエンドなのか
その時にはよくわからないのに
小説を読み進めると
一つずつ腑に落ちていく感覚があって、
最後には自分のなかできちんと収まる感覚がある。
やっぱり途中経過こそが醍醐味なんだなと実感する。
本を閉じて、顔を上げる。
車窓から見えた雲は、一筋の光をまとっていて
これから街が明るくなる予感がした。