あれ、どこいったっけ、、
定位置を決めておこうと、大掃除のときに思って、
たしかどっかにまとめて置いたはずなんだけど
一式見つからないから、どっかにしまい込んだっけか
前は確かこの辺にあったはずで、、
誰かに譲ったんだっけ?
あれ?待てよ、
そういえばこの間もういらないからって
売りに出したかも、そんな気がする
あっそうだ!思ったより高値で売れなかったんだった
ま、あんなもん、もう使うことないからね
テニスのラケットとか靴とかなんて、邪魔なだけだし
そっかあ、じゃあもうテニスできないじゃんね、
まあ3年も使ってなかったってことは、
もう使わないってことか
びりびりヒリヒリ…
痺れるほどの透明
コーヒーカップに
あと一口分もなさそうなコーヒーが残っている
このままでは終わってしまう、
まだ課題を終えていないというのに
私はセルフのお湯を入れて、
コーヒーカップをいっぱいにした
すると、元のコーヒーより、
色も味もだいぶ薄くなってしまった
コーヒー1杯は350円だけれど、
この使い古されたコーヒーに1杯いくら出せるだろう
渋い顔をしながらすすった
隣では、1杯のコーヒーをお供に何時間もねばる
受験生のような青年がいる
あのコーヒーはすっかり冷めてしまっていることだろう
そんなこんなで、もう5時になってしまった
今日の出来事を日記に綴りながら
静かに涙を流すあなたへ
カーテンの切れ目から見えた星ひとつ
くまのぬいぐるみの目に映っている
願いが一つ叶うならば、化石になってみたい
今世界にあるもののすべては
過去に作られたもの
いまこの瞬間も新しいものが生み出され、
あっという間に過去のものになる
それならば、私はいっそ化石になって
一万年昔のものになりたい
うんざりしながら毎日通う職場があった場所は、
悠々と魚たちが泳ぐ海になり
家があった場所は、草が生い茂り、
巨大な動物が群れをなして闊歩する
お気に入りのカフェは、
水が湧き出て、動物たちの憩いの場になるだろう
そんな新しい過去の地層の中で、
私はひっそり眠っている