翠蘭

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6/16/2024, 12:26:24 PM

水の中のような
見えない重圧が
全身にのしかかる

分厚いガラスのような
見えない壁が
目の前に前に聳え立つ

それでも

もがいて
挫けて
立ち上がった

掴んだ光は
眩しいほどに輝いている

見てほしい
あのときのわたしに


「1年前」

6/13/2024, 12:37:49 AM

昼下がりの校舎
鳴り響く鐘の音
画板を持った生徒たちが
方々へと駆け出す

校舎ときれいに重なる藤棚
日光の反射で輝く体育館
人気のスポットは
文字通りの争奪戦となる

わたしは1人
人工芝の生えた校庭の端に向かう
す橙色の名前もわからない野花を拾うと
何かに突き動かされたように
花弁を一枚
そして一枚
と、ちぎっていく
残りの枚数が少なくなるにつれて
鼓動がはやくなる

これはまやかしに過ぎない
わかってる
それでもこの手は止まらない



「好き嫌い」

6/12/2024, 6:50:43 AM

普段より少し遅くビルを出る
暗闇の中に灯るカラフルな光

働かない頭が何かを求めて
辺りを見渡してみる

ビルの中で忙しなく動く人影
青い灯が点滅して焦るスーツ姿の人々
コンビニの前でちいさな白い灯を
夢中になって眺める若者たち

メガネを取る
すべての輪郭がぼやけて
蛍が飛びまわる夏の夜のような
幻想的な世界が広がる


今年の夏は帰るか



「街」

6/11/2024, 7:12:32 AM

それは

これ以上にない極楽である
贅沢な時間である
心がやすらぎを得た瞬間である
身体が満たされるひとときである

太陽の光が煌めく昼下がり
ソファを引き伸ばして
お気に入りのクッションを並べて
干したばかりのフカフカのブランケットをかける

そんな妄想を頭の隅に追いやって
今日も殺伐とした空気の中
パソコンを開く


「やりたいこと」

6/9/2024, 2:08:34 PM

何も見えなくて
ただただ彷徨う
海の底の深海魚のように

何も言えなくて
ただただ立ち尽くす
凍ったマンモスのように

暗闇は
わたしから全てを奪う


海底に光がさす
氷が溶けていく

温かさで目が覚める

握られた手の体温
あなたの後ろから優しく照らす
東からの光

光は
わたしを解き放つ



「朝日の温もり」

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