『あの日の君を想う』
青空の下
ジリジリとした 焼けつく陽ざし
乾いた熱風が サーと音を立てて通りすぎていく
今日も良い天気だ
ミーン ミン ミン ミン
向日葵畑では 可愛らしい黄色の娘たちが
憧れの眼差しで 空を見上げる
あぁ 来たのか
君を待っていた
大地を育み
育てるものよ
君が居ぬまに
子供たちは逝ってしまった
でも、子供たちが残した宝は
ちゃんと冬を越え 今こうして色鮮やかに
芽吹いている
あぁ 分かってる
君はまたすぐにいなくなるのだろう
君は忙しいから
そういえば あの少年も
少し前に逝ってしまったよ
あぁ そうだ あの子だよ
君に文句ばかり言っていたね
あの子の育てた娘は あんなにも美しくなった
一人だけで寂しそうだったのに
仲間が増えて 嬉しそう微笑んでいる
何度、時が廻っただろうか
多くの生命を共に見てきた
様々な営みがそこにはあり
様々な いき方 がそこにはあった
あぁ そうだった
君の言う通り
彼の残した宝が 今日からあの娘たちの新しい親になるんだ
時が経ち 変わっても
繋がっていくものが確かにある
照り付ける太陽の下
不恰好な帽子を被った少年が
黄色の向日葵畑を元気よく駆け抜けていった
『終わりなき旅』
メラメラと燃える炎
大きいものも 小さいものも
様々な炎がそこにはあった
私の役目はろうそくに火をつけること
ろうそくの大きさはみんな同じ
だけど、数は一人ひとり違う
不平等に見えるかもしれないけど
不平等なんかじゃなくて、そこにはちゃんとした理由がある
今日もまた一つ
ろうそくに火をつける
つけた火は一定の時間がたつと
自然のうちに消えていく
今日もまた一つ
ろうそくから火が消えた
いくつもある ろうそくから
全ての火が消えてしまった時
子供たちが帰ってくる
いつ帰ってくるのかは
始めから決まっているけど、
何をしてくるのかはその子次第だ
たまに まだ火がついてるのに
自分で消して帰ってくる子がいる
でも、これは
絶対にしてはいけないことなんだ
火がついている間は修行の時
修行をさぼって勝手に帰ってきたりしたら
その子は成長できないから
また次の世界で同じ修行をすることになる
外の世界は大変なことがたくさんあるけど
挫けちゃいけないよ
帰ってきた子供たちは
明るい子は明るい方へ
暗い子は暗い方へ
その子に応じた場所に行くから
出来るだけ明るく軽やかな自分になれるよう
頑張らなくてはいけない
メラメラと今日も激しく炎が燃える
今日もまた一つ火をつけて
ついていた火が一つずつ消えていく
この世界には終わりがない
帰ってきた子供たちはしばらくすると
また次の世界に出掛けていく
そうして子供たちは
少しずつ大人になっていく
愛しい愛しい子供たち
君らの炎はまだまだ燃えてるよ
修行はきついが ちゃんと見ている
全てが学びだ
挫けずこれからも 自分の炎を燃やし続けて
『雨上がりを待つ』
上手くいかなくたっていい
人はよく、そう言うよね
今、できなくてもいいじゃない?
頑張ったことが大切だよ
してきたことに無駄なことはないんだよって
でもさ、上手くやりたいんだよ
僕はやっぱり、そう思う
だってさ、そのために頑張ったのだから
人生、何もかも上手くいったら
そんなにいいことないじゃない?
辛いことなんか、何もなくてさ
きっと悩んだりもしないのだろう
でも、やっぱりできないこともあって
周りには平気な振りして
何処かでショックを受けてる
そんな自分がここにいる
それを何度も積み重ねて
僕らは大きくなるのかな?
少しは強くなってるのかな?
成長するために生まれてくるから
上手くいかない時は心を育てる時
考え方の工夫で 失敗はいくらでも姿を変える
そんなことは分かっているけど
どんなことでも乗り越えられる
そんな自分になりたいな
そんな考え できたらいいな
『ミチ行く者よ』
最初から決まってた
もしそうなら、人生って何てつまらないものだろう
決められたレールの上を
ただひたすら 走っていく
唯の一本道なら 走る意味があるのだろうか?
そこにはきっと 石があるだろう
落とし穴もあるかもしれない
わかれ道もあって どちらに進むか迷うかもしれない
だからこそ、僕らはきっと一生懸命 この道を走っているのだろう
ひとりで走っていると 孤独を感じる
暗闇に取り残された気がして 先に進むのが怖くなったり
走り方を間違えたんじゃないかと 後ろを振り返ったり
だけどやっぱり 走るしかない
自分の道は 自分にしか走れない
走り方が分からなくなったら
何も考えず ただ走ってみるしかない
走ってみたら 次第に走り方が分かってくる
苦しかったら 楽な走り方をすればいい
無理に速く走る必要はない
自分の走り方は自分が決めたらよい
歩いてもいい
たまには止まってみてもいいかもしれない
周りをみると 焦りがでてくる
取り残されるのは きっと怖い
だから 自分の道だけを見て
寂しい道なら 花を植えて
暗闇には ライトを灯して
自分の道は自分で作って
そして これからも 走り続けるのだろう
最初から走ることが決まっていたなら
より楽しく
より自由に
より美しく
自分次第できっと走り方も たどり着く場所も 全く違うものになる
今この瞬間を走って
後ろはいっさい見ないでいい
そうして これからも 自分の道を
走り続ける