胸の鼓動
気にもしていなかった
貴方からの新着メッセージ
無感情、無意識、無好意
貴方に対する感度は「無」
それなのにいつの間にか
私が貴方からのメーッセージを待っていた
携帯を片手に「まだかな?」と
貴方に気持ちを寄せていた
踊るように
月下の仮面舞踏会
ある夜、学園で伝説の「月下の仮面舞踏会」が
開催されることになった
主人公の女性は、普段は地味な生徒だが
その夜だけは美しい仮面をつけて
誰もが羨む存在になることを夢見ていた
会場に入ると、幻想的な雰囲気に包まれていた
踊り子たちが優美に舞い
仮面をつけた生徒たちが神秘的な笑顔を浮かべている
女性は自分の仮面をつけ
会場の中心に立つことにした
すると、突然、謎の男が女性に近づいてきた
彼は黒いマスクで顔を隠していたが
どこか懐かしい雰囲気を感じさせた
そして、その男は女性を誘い出し
静かな庭園へと連れて行った
庭園では、二人きりで月明かりの下で踊り始めた
男は冷静な態度だが
踊りながら徐々に心を開いていく
女性も彼の魅力に引き込まれ
二人の距離が次第に縮まっていく
やがて、男が素顔を明かすと
それは女性が想像もしていなかった人物だった
彼は学園の人気者であり、誰もが憧れる存在だった
二人はお互いの素顔を知りながらも
仮面舞踏会の夜を満喫するのだった
時を告げる
いつか桜舞い散る日に
来年も一緒にと
当たり前のように笑いあった
会えなくなる日が来るなんて
考えもしなかった
おはよう
ただいま
おやすみ
そんな一言一言が
毎日顔を見て言えるものだと
思ってた…
来年はまた桜が咲いたらさ
一緒に見ようねと
約束してたのに
頬から流れる涙に
もう二度と声を聞く事も
記憶の中の笑顔しか見れないという事も
思い知らされる
粉雪降る中
桜舞い散るあの日を思い出す
もう二度と色付く事のない
儚く消えてしまう淡雪
どれだけ幸せだったかを……
思い知らされる
貝殻
めんどくせーを物語る貴方の背中
その背中を後ろから見るのは
嫌いじゃなかった
耳を触る癖も石鹸の香りも
海辺で貝殻を集めるのが趣味なところも
教科書を盾に弁当を
かき込む姿も全部嫌いじゃない
『じゃーなー』と爽やかさの欠片もなく
自転車で追い抜いていく貴方に
届かない声で『また明日』と呟く
そんな私は貴方の記憶に
残るのだろうか…
きらめき
「今夜は月がよく見える日だ」
と誰かが言っていた
…ああ、確かに美しい
そして何の汚れも知らないような
「満月」が見える
昔、「満月の光は人を狂わす」と
聞いたことがあった
あの汚れなき光に照らされた人が狂う…
まぁ…他の人から見たら
そうなのかもしれない
「汚れなき月の光で人が狂う」
というよりも
「月の汚れなき純粋な光で人は
本当の自分を出せる」
自分はそう思った
理由は分からないがそう思った
…普段から本当の自分を
さらけ出している人なんて殆ど居ない
だから月の光に照らされることで人は
自分になれるのではないかと思う
だが、そう思うと少々月が憎たらしく思う
月は自分たちの欲望をさらけ出し
それを見て嘲笑っているのではないかと…
そう思ってましう
別に毎日が満月ではないし
月が見えないときもある
それなのに…だ
だがそれと同時に
美しく思っているのかもしれない
…憎たらしいほど気に喰わないものが
それと同時に目を奪う程、美しく感じる
…我ながら矛盾しているな
だが、誰かもそう
思っているのかもしれない
そんな気がする
それでも、みんな口を揃えて
こう言うのだろう
「今日は月が綺麗ですね」と