【今を生きる】

代わり映えのない毎日
特別なことなんてないけど
今日を　ちゃんと生きている

今は　何かが足りないように思えても
きっと　いつか振り返ったとき
この日々の素晴らしさに　気づくのだろう

そう考えると
案外、僕は
もう　満たされているのかもしれない

【揺れる木陰】

木陰に座る　ふたり

何かを話すわけでもなく
ただ　揺れる影を見つめていた
そんな　時間が心地よかった

温かい日差しに包まれて
目の前の情景が
時の流れを　そっと教えてくれる

あの頃は　何もなくて
ただ——
恋をしていた

【真昼の夢】
眩しい日差しが差し込む昼間
僕は夢を見ていた

夢の中であなたは笑っていた
どんな夢だったかはもう覚えていない

ただ——
あなたの笑顔がとてもは眩しくて
まるで真昼の日差しのようだった

【夏】
蝉の声が聴こえる
とうとうこの季節がやってきた

絶え間なく響くあの音は
日を追うごとに少しずつ小さくなる

そう考えるとこの音には
どこか儚ささえ感じてしまう

また今年も、
あの音とともに夏が始まり、
そして、終わっていく。

【あの日の景色】

歓声がこだまする球場
白球が青く澄んだ空に舞う

この一瞬に僕らは全てをかけてきた
悔しい時も、苦しい時も、

この経験が今の僕たちを作っている

もう二度と戻らない日々だけど
“あの日の景色”は今でも忘れない