好きな本
雨音「あっありがと、すごく面白かった!」
私は想いを寄せているクラスの男の子からすすめられ、借りていた本を返した。
晴「ホントに?!良かったぁ〜、そっかぁ〜、僕は主人公が犯人を問い詰める所が好きなんだけど、雨音はどこが好き?」
雨音「ん!?えーと、私もそこが1番好きかなぁ〜」
晴「えっそうなんだ、やっぱりそうだよね!」
雨音「うんうん、そうだよね」
私はよく自分がわからなくなる。
自分が好きなものってなんなのか?
私は昔から周りに合わせてばかり、今回もそうだ。
この人から好かれたい、、嫌われたくないがために自分が興味のない推理小説を読んで好きになろうとしている。
これは正しいのかな?
月に願いを
「今日の月なんか赤くない?」
「え〜そうかな?」
「お前、目ぇ悪いんじゃね」
「はぁ?目ぇ悪くねぇ~し、お前って言うな!」
「あはははは、口悪すぎだろ、でも、ホントに赤くね」
「まぁ言われてみれば赤いか、、」
「なんか、願い事とかしたら叶うんじゃね」
「流れ星じゃないんだから、そんな卑猥なこと言わないでよ」
「どこが卑猥なんだよ!笑、じゃあ変なボケをしないようにって願うかぁ〜」
「誰のこと?」
「お前だよ!」
「だからテメェはお前って言うな!」
「あはははは、こりゃ叶いそうにないやぁ」
失われた時間
5月13日(月)
今日も1日が終わった。
今日もまた、何もしていない非生産的な1日が過ぎ去った。
ただ1日中テレビを見てゴロゴロしただけだった。
自分はうつ病だからこんな日になってもしょうがないなんて免罪符で今日の出来事をなかったことにしようとしている。
こんな生活続けていたら、僕は本当の意味で死を迎えることになるだろう。
誰かに助けを求めることができるならどれだけよかったろうか、、、
まずは努力ができるようになろう
どれだけ時間がかかってもよい
明日は1分だけ努力する、明後日は2分だけ努力する、そうやって少しずつ努力する時間を作っていこう。
そうすればいつの日にかは努力の天才になれるだろう。
そうなれば自分に自信を持てる人間へとなれる
これで今日の日記は終わり
幸せに
今日は結婚式
でも私のじゃない、幼馴染の男の子のだ。
基本的に結婚式に招待するときに異性を招待してはいけないという風習があるが私だけは特別に招待してくれた。
それが良かったのか悪かったのかはわからない。
今日は泣かないと決めたから今日の分の涙は全て昨日の夜に出してきた。
それなのに、、、
渇ききった目からは涙が出てしまっていた。
それでもこの気持ちだけは死ぬまで一生隠すとそう決めているからこそ涙の理由に嘘をついた。
好きだからこそ幸せに、、、
それが私のストーリー(人生)です。
二人ぼっち
『約束の地』
一人ぼっちの僕には友達がいない。
クラスで浮いている僕に話しかける人などいない。
いないはずなのに、、、
未来(みく)「ねぇねぇ穂どう?かわいい?」
僕に唯一話しかけてくる彼女は今日もまた話しかけてきた。
穂(みのる)「何が?」
「いつもと違うでしょ、ほらブレザーの下にパーカー、かわいい?」
未来はピンクのフードを僕に見せびらかせてきた。
穂「はぁ〜、もうすぐで夏なのに考えられない」
未来「オシャレだよオシャレ!かわいい!?」
穂「かわいいんじゃね」
未来「やった!昴のかわいいもらっちゃったー」
穂「昴(すばる)?」
未来「あぁ〜間違えた、穂のかわいいだ、つい癖で、あはははは」
彼氏の名前とでも間違えたのだろう。
勘弁してくれ。
未来「あっもう授業始まっちゃう、じゃあまた後でね」
去り際にさり気なくまた話しかけてくる予約をされた。
本当に変な奴だ。
僕はぼっちなのに頭が悪い。
だからよく先生に居残り勉強をさせられている。
アニメなどではぼっちキャラは頭がいいというのが定番だが現実はそうとはいかないようだ。
今日も1人夕日のが射し込む教室で居残り勉強をしていると
未来「頭悪いのは変わってないんだね」
僕1人だけの教室に未来は入ってきていつもの調子で話しかけてくる。
穂「そういう君は変わってんな、僕みたいなぼっちにこんな風に話しかけてくる女子なんてアニメキャラくらいだと思うけど」
勉強の片手間に言った。
教室が静かになった。
未来の顔を見ると、
穂「何ニヤニヤしてるんだよ」
未来「いや〜嬉しくて、私も変わってないな〜って」
穂「いやだから変わってるんだよ」
未来はさらにニヤニヤした。
本当に変な奴だ。
未来「覚えてないの?」
またこの質問だ。
未来は僕によくこの質問をしてくる。
未来がこの学校に転校してきて、初めて会ったときからずっとしている質問だ。
穂「だからもういいよその質問」
最初の頃は昔どこかで会ったことがあるのかと思ったが、自分のそんなに長くない人生を振り返ってみても未来という女の子に身に覚えはなかった。
未来「そっか、、、赤莉」
赤莉(あかり)?
穂「誰だよ」
未来は目から涙を流した。
そして走って教室から出ていってしまった。
これだから人間関係は嫌なんだ。
どこに地雷があるかわからない人間と喋った僕が間違っていた。
穂「赤莉って、、、」
一人になった教室で未来が言った名前を口に出すと僕も目から涙が流れた。
それと同時に僕の頭の中に存在するはずのない記憶が流れ込んできた。
僕も教室を出て走った。
穂「はぁはぁはぁ、やっぱりここにいた、勘弁してくれよ、ダッシュで階段登るのが一番きついんだって」
僕は屋上に来た、そこには涙目の未来がいた。
未来「なんでここってわかったの?」
穂「みんな平等に前世の記憶があるわけ無いだろ、本当にお前は変わらず変わってんな、赤莉!」
僕は思い出した。
前世での僕、昴と赤莉との記憶を思い出した。
未来「だって、約束したじゃん、またこの学校で出会おうって」
未来は泣きながらそう言った。
穂「ありがと、覚えててくれてこの学校に来てくれたんだよな」
未来「うん、そうだよぉ」
僕は言うべきことを言うことにした。
穂「今度こそはヨボヨボの年寄りになって死ぬまで一緒にいよう、僕と結婚してください」
未来「はい」