手ぶくろを装着すると
手ぶくろのぬくもりが
手の指先から
心の奥底まで
じわじわと伝わってゆく
まるで
あなたと
手を重ね合わせて
手を包み
込んでいるかのような
感覚になる
目を閉じて
優しい
思えば思うほど
体温が自然に上がってゆく
あなたが手編みをして
作ってくれた手ぶくろだから
それはなおさら愛情が深くなる
あなたは
どんな思いで
手ぶくろを作ったのかな?
わたしを笑顔にさせて
かじかんだ手が
寒そうにしている光景を
思い出しながら
あなたは
慣れない手つきでも
最後まで作り上げていた
そして
わたしは出来上がった
手ぶくろを装着してみると
わあぴったり♡
なんとそれは
シンデレラのガラスの靴のように
ぴったりとはまった瞬間
まるで
あなたは
運命の王子様と思わせるひと
素敵な気持ちになれた♡
この世でたったひとつしかない
限定プレミアム品
カタチとかいびつとか
ううん
そんなこと関係ないよ
あなたが
一生懸命に
わたしのために作ってくれた
手ぶくろだから
ずっとずっとずっと
大切な宝物だよ
作ってくれて
本当に本当にありがとう♡
変わることのないものは
昔ながらの理容室
まだまだ現役で
普通に理容室はある
理容室に行けば
カット
シャンプー
ひげ剃り
蒸しタオルは
どの時代でも
あまり変わることのないもの
理容室の外見が
オシャレになったとしても
中の作りは
ほぼ物の
配置や
置き場や
座る場所さえも
変わることがなく
なんだか
昔のほうが
落ち着いた雰囲気の中での
理容室は最高の癒やしの場所
馴染やすさ
慣れやすさ
ベテラン店員
それぞれの要素によって
わたしはとてもお気に入り
昔ながらの理容室は
ずっと変わらないでほしい
そしてなくならないでほしい
それはまるで
一途に永久の恋を
誓い合ったみたいに
クリスマスは
あえてバイトにいれる
クリスマスなんて予定はない
恋人もいないし
クリスマスは皆友人たちは
恋人がいて皆デート三昧
恋人がいないわたしだけは
悲しみとともにバイトをする
バイトをしていれば
自然に嫌なことも忘れられるし
時給だって
クリスマスに限っては
通常よりも高い
バイトの中でも
好きなひとはいる
偶然に
その好きなひとが
シフトに入っているから
わたしも同じ時間に入れた
朝から忙しいけど
好きなひとと一緒に
仕事ができるから楽しい
疲れていても
やり切れるし
乗り越えられる
仕事も終わって
もう今日の予定もない
あとは帰宅するだけ
なんだか味気ない
そうだよね
友人のみんなは
恋人とデートして
楽しんでいる時間
わたしなんて・・・
涙が溢れ出してしまった
そんなとき
大丈夫?と声を
かけてくれたひとがいた
そのひとは
わたしの好きなひと♡
わたしは涙の訳を話した
すると
なるほど
その気持ちわかるよと
わたしを慰めてくれた
良かったら
カラオケ行って
悲しみを
吹き飛ばせばいいんだよと
わたしを誘ってくれた
わたしは
2時間カラオケをして
ふたりで楽しむことができた
おまけに
ご飯まで食べるなんて
わたしは幸せな気持ちになった
好きなひとという
クリスマスの神様
本当にありがとう♡
元気いっぱいになって
今夜はぐっすり眠れそう
イブの夜は
思いきり
何もかも忘れて
友人同士で
ワイワイしながら
クリスマスパーティをして
美味しいものを
食べながら楽しみたい
ひとりきりの
クリスマスイブなんて嫌だよ
彼氏もいない特別な日
友人も彼氏と一緒に過ごしている
羨ましいとか
幸せそうとか
わたしはお酒を飲みながら
ひとりで愚痴っている
わたしは
不幸の女の子なんです
恋♡の女神さま
あまりに酷くはないんですか?
か弱い女の子が
ここに寂しく
せつなく待っているんですよ
贅沢は言いません
どうか
可愛い男の子に
出逢わせてくださいと
願いを込めて祈った
酔が回って
いつの間に
眠ってしまった
すると
眠りの世界にいる
そこにいたのは
可愛い男の子♡
本当に出逢っちゃった♡
わたしの
待望の夢時間のはじまり
それから
ずっと1日中
男の子と一緒に過ごした
何もかもが楽しかった
ずっとずっとずっと続いてほしい
しかし
夢だから
終わりが来てしまった
さよなら
いつもそう
さよならが付き物
だったら
はじめから
出逢えなければよかったんだ
後悔と悔しさがにじみ出る
夢は喜びから悪夢
そして悲しみに転落する
クリスマスイブは
もう夢の世界の中にある
出来事にすべて消去させた
プレゼントを
もらえた日は
眠れずにいた
特別でも
何でもないのに
突然
はいプレゼントと渡され
中身を開けてみると
それは
わたしが買おうかと
ずっとずっと
迷いに迷っていたお品
ほぼ毎日
お店の前の
ショーウィンドウに
飾られた商品が
限定3セット
しばらくすると
限定2セット
そして
最後の限定1セットになった
ずっと悩んでいる
もうそろそろ買わないと
誰かに買われてしまう
そう考えているうちに
ついに
限定商品は
なくなってしまった
やっぱり買って
おけば良かったと
激しく後悔した
もうため息ばかり
限定商品がなくなっても
またお店のショーウィンドウを見ている
もうあの商品は
手に入ることはないんだね
寂しい思いをしていると
店内から店員さんが
わたしに声をかけてきた
いつもあなたが
見て悩んでいる商品ですが
実はちゃんと取ってありますと
衝撃的発言があった
いつかきっと買ってくださると
信じていましたからねと
店員さんは嬉しそうに話をしてくれる
わたしは
子供のように
大喜びで
本日にありがとうございますと
お礼を何度もした
まるでそれは
店員さんからのプレゼントみたいに
わたしは幸せそうに
抱きしめながら
その余韻が
今でも忘れてはいない