これからもずっと
先生のクラスにはなれなかったけれど。
同じ学年団ではあったし、
教科担当もしてもらえることになった。
もし先生と付き合えることになっても3年後。
だから今年1年、いやこれからもずっと。
今はまだ近すぎなくてもいいから。
おじいちゃんおばあちゃんになっても、
先生のとなりにいたい。
青空の瞳、夕焼けの瞳、夜空の瞳。
先生のその瞳にとても惹かれている。
先生の目は吸い込まれそうなほどうつくしくて。
授業中も気づくと先生の瞳を見つめてしまう。
先生と生徒。
もし付き合えるとしても、あと3年は我慢。
でも。
この関係性じゃなきゃ先生に出会えなかったと思う。
もし出会えてても、
こうやって話せる関係性じゃなかったかもしれない。
だからこそ。
このままでいい、いや、このままがいい。
大切なもの
部活帰りに他愛もない話をしながら歩く、
夕焼けいろに染まった廊下。
辺りと同じように朱い先生。
きっと私の頬も瞳も、
同じ色に染まっていることだろう。
たまにこちらを捉えるその双眸はとてもうつくしくて、
私だけが見るのは勿体ない気がした。
もしこのひとときが無くなってしまったら、
そう思うととてもこわくなる。
ほんの5分ほどだけれど、
私のメンタル面を支えてくれているのは
まぎれもなく先生だ。
先生は私の1番「たいせつなもの」だと
言ってみたことがある。
「嬉しいけど俺って物判定なの?笑」
たしかに。
それならば。
先生と過ごすこの時間が
わたしの「たいせつなもの」だ。
4月1日、エイプリルフール。
これを聞いて大半の人は
嘘をついてもいい日だな、と思うだろう。
もちろん私もそう思っていた。
正確には、2年前までその考えしかなかった、だ。
今はそれに加えてもうひとつ、
4月1日と聞いて思いつくものがある。
そう、教職員の異動が新聞に載る日。
去年よりももっと先生のことが大好きな今年は、
3週間以上まえから
この日が楽しみでもあり、怖くもあった。
早く知って来年からも一緒に入れたらという希望と、
もし先生が異動してしまっていたら
どうしようという不安。
朝目覚ましが鳴る直前に目が覚め、
急いで新聞を確認しにいく。
見間違えたらいけないと3周は目を通した。
何度見てもそこには先生の名前はなかった。
先生は4月からも学校にいるのだ!!!
うれしくてうれしくて、どうしようもなくて。
ただただ、あたたかな気持ちだった。