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12/4/2024, 12:47:04 PM

「おはよう!」
そう言って声をかけてきたのは、隣のクラスの鈴奈。
毎日ぼっちで、体を上手く動かせない僕に声をかけてくれる。
そんな彼女が居る人生を生きられている僕はものすごく幸せだ。
学校が終わったら寄り道して、一緒に出かける、それがいつもの日常だ。
僕は昔、病気になってしまって、体を上手く動かせない。でも、できることは自分でしてる。
別に、病気になったから嫌だと思うこともなく、平凡に過ごしていた。

「そろそろ起きなよ」

いつもの寄り道先で、いきなりそんなことを言われた。どういう意味だろう、僕にはよく分からない。

「起きる?どういうこと?」

「君、本当に分からないの?」

「え?」

「ここがどこなのか、君は分からないの?」

「ここはどこって……寄り道先でしょ?」

「そういう意味じゃないの。」

「じゃあどういう意味なの?」

すると、いきなり鈴奈に腕を掴まれた。
連れて行かれたのは、高い階段。落ちたら死んでしまうだろうと思う階段だった。


ドンッ!!


背中に痛みが走ったような気がした。
だけど、後ろを向くことは出来なかった。
なぜなら、僕は階段から落ちてしまっているから。

鈴奈に押されて落ちた。

「鈴奈……?なんで…?」

「良かった。これで戻れるね。」





ドンッ!!


僕は、地面に衝突してしまった。






「今日、午後6時32分、熊本で男子高校生が階段から落ちたと救急隊に連絡がありました。
男子高校生は、意識不明のまま病院に運ばれましたが、運ばれている最中に亡くなりました。
連絡をしたのは、一緒に居た同じ学校の女子生徒だったそうです。」






パチッ



「陽翔……!」

僕は、階段から落ちたはずなのに、目を開けば病院に居た。







「3週間前、熊本の男子高校生、吉永陽翔さんが、交通事故にあい、意識不明で運ばれました。
現在も意識不明のままで、ご両親は、「元気な息子の姿を早くみたい」と話していました。」



僕は3週間前に事故にあって、意識不明だったらしい。
鈴奈は、






夢の中の人だったらしい。

11/30/2024, 3:48:49 PM

「君は昔から泣き虫だ」

そんな言葉を口にしたのは、生まれた時からの幼馴染の渋谷叶夢。
僕と彼女は同い年で、保育園、幼稚園、小学校とずっと一緒だった。

あいつの言うように、僕は昔から泣き虫だった。
泣いては叶夢に慰められてを繰り返してた記憶がある。


そんな僕は今、泣いている。


でも、いつもとは違う涙だった。
それは叶夢も気付いていて、いつもは慰めるのに、今日は慰めることはしなかった。
僕が今泣いているのは、叶夢が東京の高校に行くから。
同じ高校に入学しようと話していた叶夢が、なぜ東京の高校に行くのか、それは父親の転勤だった。
家族で東京に引っ越すことになり、僕の幼馴染は遠くに行ってしまう。
それを聞いて泣いているところだ。

「僕も東京に行く」

「バカ?」

「本気。叶夢が居ない人生なんて、僕は要らない」

「君は昔から泣き虫だ。私が引っ越す日は必ず駅まで送ってね。

その時は、泣かないで」



引っ越し当日



約束通り、叶夢を駅まで送る。
僕は泣きたかった。

でも、叶夢と泣かないと約束したから、笑顔で送った。



送ったあとの僕は、どうなったのか自分じゃ分からなかった。母親に



「あんた、泣いてるよ?」


なんて言葉を言われるまでは






数年後


僕は、あれから変わらず泣き虫に育ってしまった。


「はい、すみません
ごめんなさい、やり直します
僕はこの会社で使えないんですか…?
分かりました、辞めさせてください

仕事も…なくて……家族も減った…
叶夢……いつ会える?…
待ってるからな……
泣いてても許してくれよ……」




「君は昔から泣き虫だ」








目の前に居たのは、あの時より少し成長した笑顔の、



あいつだった。



11/22/2024, 11:42:18 AM

俺の名前は竹中颯太。現在、2児の父親だ。
上の子は女の子でもう小1になる。
下の子は男の子で、5歳だ。
そんな俺だが、2日後、なんと結婚記念日だ。

結婚したのは、もう6年も前になるのか……

と考えていると、妻の紗由莉に話しかけられた。


「ねぇ、2日後、結婚記念日ね。今年は何しようかしら?」

「今年は子供達も一緒に何かするのはどう?」

「いいわね、2人とも、何したい?」

「ぼく、ゆうえんちにいきたい!」

「わたしも!」

「遊園地か…懐かしいな笑」

「私達もよく行ったわね笑」

「よし、行くか!」


そうして、俺達は遊園地に行くことになった。

当日。



「おとうさん、ぼく、あれのりたい!」

「あ、観覧車…!」

「わたしものりたい!」


そして、今に至る。



最後に観覧車に乗ったのは、


6年前の妻と結婚前のデートだった。


俺はここで告白したんだ。





「ぼく、しょうらいおねえちゃんとけっこんする!」




「え……?」



「あら……!」



「なにいってるの!きょうだいはけっこんできないんだよ!」



「え……そんな…」








6年前の今日、ここでひとつの夫婦が誕生日した。


そして、6年後の今日。





子供が増え、楽しく会話をする家庭が誕生した。

11/21/2024, 9:42:33 AM

「きょうだいのたからもの」

1ねん2くみ はるのかなと

ぼくには、たいせつなたからものがあります。
それは、ぼくがいつももっている、このえんぴつです。
このえんぴつは、におにいちゃんがくれたものです。
おにいちゃんが
「これは、おばあちゃんからもらったたいせつなえんぴつだから、ずっとたいせつにもってたんだ。これ、あげる」
といって、ぼくにくれました。
そのあと、ぼくとおとうさんとおかあさんが帰ったあと、おにいちゃんはなくなってしまいました。
もしもおにいちゃんがこのえんぴつをくれなかったら、ぼくはおにいちゃんからもらうものがなかったことになります。
なので、このえんぴつは、ぼくにとってさいこうのおにいちゃんからもらった、さいこうのたからものです。
これからも、このえんぴつを、たいせつにしていきたいです。
そして、ぼくもおにいちゃんみたいに、これからうまれてくるいもうとが、いちねんせいになったら
「これは、きょうだいのたいせつなもの」
とおしえて、たくしたいとおもいます。




「きょうだいのたからもの」

11/19/2024, 9:34:30 AM

「あ……もう25か…」





小学生してるって思ってたらいつの間にか中学生になってて、中学生してるって思ってたらいつの間にか高校生になってた。
そして、高校生してるって思ってたら、いつの間にか25歳になっていた。

俺はこの歳になってようやく、時の流れが早いことに気がついた。
小学生の時は、明日が早く来ないかなとか、夏休みまだかなとか思ってたのに、今ではもう明日だ、夏休みなんてない、と思ぅようになった。
もし俺に子供が出来たら、
想い出は大切なんだ。
って教えたい。まぁ、彼女すらいないけど…笑

そんな俺にも、たくさんの想い出がある。
その想い出をどうやってしまっていくかが大切だ。

ちゃんとしまえてないと、覚えている想い出はほんのちょっとだけになってしまう。


俺は






ちゃんとしまえているようだ。

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