『神様が舞い降りてきて、こう言った』
いつもは重い足取りは今日は軽かった。
気を緩めれば、スキップしそうになる程、僕の機嫌は良くて、ついつい頬が緩んでしまう。
僕がこんなにも機嫌が良いのは、理由がある。今日、僕は自殺することにしたのだ。
もう、限界だった。上司からのパワハラ。誰も助けてくれなくて、目をそらされる日々。僕が死ねば、少しでも罪悪感を抱えるだろう。
それで『オレのせいか?』と頭を抱える上司を見て、僕は言ってやるんだ。「そうですよ」
ちょっとした仕返しのつもりだ。お前のせいだ。という現実を突きつけて、お前も死ねば良いと思った。そして僕がパワハラされるのを無視した奴らも罪悪感を感じろ。
屋上への長い階段を上る。外にあって夏場は暑く、冬場は寒い。最悪な階段が天国へのカウントダウンだと考えれば、笑みが浮かぶ。
僕は天国へ行き、アイツラは地獄へ行く。
僕にこんな事をした自分を恨め。
風がビュービューと吹き荒れている。片足で立つだけで、落ちてしまいそうだ。
フェンスを跨り、空に向けて足を一歩踏み出そうとする。
すると、天から光が降り注いだ。死ぬ間近で幻覚を見ていると思い、構わず足を踏み出すと、羽が生えた人間…天使のような人が僕の前に現れた。
「君、このままだと地獄行きだよ」
天使のような人はそれだけを言い残していった。僕は空に向けて踏み出した足が重力によって真っ逆さまに落ちていった。
地面に激突し、僕は頭を打って、即死だった。
お題「どうすればいいの?」
僕の人生を具現化するとしたら【真っ暗闇】と言えばいいんだろうね。
生きようとも思えないし、死のうとも思えない。なんで?って聞かれても何も分からないし、この人生をどう生きればいいんだろうね…
『君の人生楽しい…?』
毎晩毎晩、ネットで誰かにそう言う。
意味なんてないのに…。
そして、楽しいと返ってきたら、ただ
『僕と人生交換してよ…!』
と返すだけ。
本当に交換される訳じゃないけど、交換してほしい。
ねぇ…ネットに希望を持つのを辞める為には、どうすればいいの……?
お題『キャンドル』
最近は仕事が段々と忙しくなり、休憩も殆ど取れなくなってきた、癒やしがほしいなぁ…と呑気に思いながら家に持ち帰った仕事をしている。
(風呂入りたいな)
ふと思うと友人が「風呂に入る時真っ暗にしてアロマキャンドルつけるのもおすすめ」と言っていた事を思い出した。
(仕事終わったら試して見るか)
私はそう思い、仕事に一層やる気を出す。
「これ…消えたりしないよね…」
水が絶対に届かない場所にアロマキャンドルを置いた物の心配性の私はアロマキャンドルが消えないかとずっと心配していた為、風呂でゆっくり休めなかった。
「消すか…ハァ」
ため息をしながらアロマキャンドルを消そうとすると集中していて気付かなかったラベンダーの香りが匂ってきた。
「いい匂い…」
落ち着くラベンダーの香りもゆらゆらと揺れるキャンドルの火も視覚的にも嗅覚的にも癒やされる、そんな商品だったから、自分でも買ってみようかな?と思い私はキャンドルの火を吹き消した。
お題「たくさんの想い出」
「こんな事が俺にもあったなぁ」
アルバムを見ながら呟く。
アルバムはその時の写真があり、思い出を思い出す。
「これ!始めて彼女にプレゼントした日か~。」
「改めて見るとガチガチに緊張してんな、彼女にもすぐにバレて恥ずかしかったし、というか…なんで撮ってんだよ!」
誰もいない部屋で思い出を振り返っていると結婚している彼女との想い出が写真にあった、どうやら友達に勝手に撮られていたようだ。
「今は仕事で忙しいし、こんな楽しい想い出も作れないだろうけど、息抜きで旅行とか行ったら、想い出作れっかな。」
想い出は増えていく、自分が楽しいと特別だと思えば想い出は一つから二つへとどんどんと増えていく。
この想い出がたくさんの日々が出来るだけ長く続きますように、
俺はそう思いながら思い出のアルバムを閉じた。
お題『もう一つの物語』
普通に過ごしていただけだった。
ただ、楽しくて幸せにずっと過ごしていけると思ってた。
なんで死んでしまったのだろう、
なぜあの時トラックは信号無視なんてしたんだろう、
もっと俺が周りを見ていれば死ぬこともなかっただろうか
「あぁ、前の人生に戻りたい。」
俺はそう思う事しか出来ない。
もしも、神様がいるのならば、俺をこの物語で幸せにしてください。