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10/6/2025, 1:28:03 PM

「燃える葉」


白昼の真中  太陽は葉の輪郭を照らし

風のざわめきを映し出す


瀝青の道にこぼれた影は まるで踊り遊ぶ小さな螢


眼差しの上の葉は、燃えるように輝いていた

3/3/2024, 2:34:35 PM

昨日、記憶の限り初めてひなあられを食べた。想像よりもずっと柔らかな甘さがあって無意識のうちに口に運び続けていた。天の川の星たちもお菓子になればこんな味がするんだろうなとふと思った。
口に入れる度に雪みたいにすぐとけるひなあられは、その色味もあって神様のオヤツみたいだった。

…星を食べた神様の、その食べカスかも、なんてね。地球に降る途中大気圏を通って、そこで小難しい字面の物質が小難しい化学反応を起こしてパステルカラーな緑、黄、ピンク、白に………

たわいもない妄想の果てに気付いた。明日(今日)はひな祭りじゃないか、と。あちらこちらで、お内裏様とお雛様、優雅な三人官女に愉快な五人囃子、時たま赤い顔した老大臣の方々をお見かけしていたのに……なぜかすっかりそんな気はしなかった。
それと、ひなあられは去年だか一昨年だか、とにかくいつかの日に食していたなあと。全然初めてなんかじゃなかった。ついつい話を盛ってしまった限りである。

それにしても静かで穏やかで、そしてなんて優しい祭日なんだろうなあ。ハロウィンを経て節分までの喧騒はどこへやら。
ついウッカリと、その優しさに甘えて、優しいものたちとすれ違ってしまう所だった。ごめんねえ、雛人形の面々よ。
少々の反省、些細な感謝、ちょっぴりの切なさを込めてひなあられをまたまた頬張る。
うん、おいしい。ふんわりとした小さく甘い星々は、春の訪問を告げながら机上でまたたく。
新しい時の始まりに、まるで新しい世界を待ちわびるかの様に胸が踊る。

あーあ、これで花粉さえなければ、本当にいい日なのに。まったく、困るよキミ。

2/6/2024, 2:47:12 PM

12時間に1度同じ景色を見る
この景色が消えるほんの1分の間だけ、あなたに会えるんだ

2/5/2024, 3:33:28 PM

ああ触れる、溢れる気持ちに
あぶれる心 掬い出して救いたかった
肝心な心地は自分に合う気もしなかった

11/11/2023, 2:10:39 PM

「重力」─この大地(ホシ)がかけた呪いによって
僕らは未だ飛べずじまいだ

「翼」─そんな呪いに抗う唯一つの存在
僕らはそれに焦がれてきた


飛べない翼に何の意味がある?、と
存在の意義を否定された
お前の手を取って

さあ今こそ再起の時だ
転び蔑まれようとも、幾度でも立ち上がる為に備わった不具を広げ

忌まわしき呪いを、お前を貶める者全て永劫に縛り付ける祝福に変えて

宇宙(ソラ)へと進むんだ


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