MZRYA−I'm little cat.

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6/14/2024, 1:34:27 PM

あいまいな空


──…さっきまで暗かったのに、もう水色だ。

──わかるよ、この時間はいつも"あいまい"だよね。

──…そうだね、いつも曖昧だ。

──これからどこに行くんだい?
   僕はここに居なきゃいけないけど。

──…どこか遠くへ。君が見えない場所まで。

6/11/2024, 11:32:02 AM




音符が飛び出すような軽やかな足取りで。
腕にはたくさんのショッピングバッグ。
新しいサングラスをかけて商店街を抜ける。
ブーツのかかとはげんきに音を鳴らす。
ここは、夢の街。
ここは、夢の国。
ここは、夢の星。
ここは、世界中の楽しいが漂う場所。
大きな車に荷物を詰め込んで、
「さあ、もう一回だ!商店街へ突入だ!!
せっかくなんだ、"夢"を楽しもうじゃないか!」
足を踏み出すと、愉しげな街の声が聞こえる。

6/9/2024, 10:29:21 AM

朝日の温もり


船の上で目を覚ます。
カーテンで閉められたこの部屋は薄暗い。
揺れる船体にカタカタと動くレコード達。
カーテンをジャっと開けて甲板へ出ていく。
ぶわりと潮風が体を冷やす。
朝日が体を温める。
今日も海賊のラジオが始まる。
サングラスは朝日の温もりを反射する。

6/3/2024, 10:20:05 AM

失恋


戦場で、硝煙の中に見える薄いグレーの瞳。
見なかったふりをした。
その瞳はゆらゆらと彷徨い歩いているようだった。
何かを探すかのように。
銃声が、聞こえたかもしれない声を掻き消す。
ドカン、と後ろから大きな音がした。
仲間の身体と土と武器とその他諸々が飛んでくる。
後ろは死地だ。
前を向け。
前を向け。
前を向け。
光と熱が、体を焦がす。
感じた鼓動は、何だったか。

6/2/2024, 11:41:45 AM

正直


もくもくと黒い煙が浮き立つ。
美しい国の面影は消えた。
だが、ここに掃除屋の少年が居る。
彼はどこか達観しているようだ。
でも、それでいても、自分の気持には正直だ。
彼はこの国をもう一度、美しい国にすることを誓った。
たとい何世代も続こうとも。
霧を払い、煙を払い、煤だらけになりながら闘う。
彼は、最も愚かな男。
でも、正直者。

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