にわかなオタク MZRYA

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3/26/2024, 10:48:44 PM

ないものねだり

気になるあの人。
私にはないもの持ってる。
綺麗な顔に、綺麗な人柄。
いいな。欲しいな。
あの人はケンキョで慎ましい。
私だったらもっと上手く生きてあげられるのに。

気になるあの子。
私にはないものを持ってる。
恵まれた家庭に、親からの愛。
いいな。欲しいな。
あの子はゴウマンで横暴。
私だったらもっと上手く生きてあげられるのに。

3/17/2024, 11:03:45 PM

泣かないよ

結局、あの日から何年経っても
あンたは泣き虫なままだったよね。

「俺、もう成人よ?流石に泣かんて。」
「ほんとう?じゃあ…」
「それにさ、たしかに泣き虫は認めるけど
高校入ってからとかぜんっぜん、ひとっつも
泣いてないから。」
「本当なのか〜?違う高校だからって
嘘ついたらだめよー」
「…………」
「ほら、何とかいいなって」
「俺は、もう泣かんよ。だから心配するなよ。」
「あンた…」

まだ、あンたは泣き虫なままだ。
でも、頼りがいのある男になったね。

3/5/2024, 11:41:58 AM

たまには

「たまにはさ、水彩とかじゃなくて他のやつやったら?」
「……お前は絵を描かないからそう言えるんだ。」
「そう?俺だってたまに絵、描くよ。…マジでたまに。」
「落書きみたいなもんだろうが。」
「え〜、ちゃんとスケッチブックに描いてるよ。」
「線整えたり色つけたりしてないだろ、どうせ。」
「どうせ、とか言うなよ〜!100均のアルコールペン使ったよ、見ろこれ!俺の自信作。」
「ん、……ぶっ、なん…ナニコレっ…っははは!!」
「あっ、おい笑うなって!」
「ふふふ……だ、誰だよこれ…もはや原型とどめてねぇって…」
「い、いーだろべつに!誰描いたってさぁ!そんな事言うなら、もうお前に見せてやんねーし!」
「はー…笑った笑った……ごめんて、俺お前の絵好きだよ。」
「…………」
「おーい、拗ねんなってぇ…」

「……知らね、絵の具まみれのままリビングうろつくなよ。」
「はいはい、りょーかいです。」


「ま、たまには彼奴の言う事聞こうかな。」

3/4/2024, 4:04:18 AM

ひなまつり











          !-attention-!
      ⚠二次創作要素が入ります。⚠
        ⚠ ご注意下さい!!⚠








──────

来る3月3日
ひなまつり一雛祭りーとは 女の子の幸せと健やかな成長を願ってお祝いする日。

「……と、いうわけで。うちの本丸は豪勢な料理は作りま せん。」

居間に集まった食いしん坊たちがざわめきだす。

「た、大将!乱は女の子だろう!」
「「違うよ?/違います。」」
「くっ……」
「大将、宗三は…」
「ちょっと薬研、巻き込まないでくださいよ。いくら僕が 綺麗だからって…やっぱり魔王の手が入った……」
「あ、主!アタシは髪の毛長いし! お雛様に似てるでし ょ!?」

騒ぎ出す─主に粟田口と呑兵衛の─刀剣達。 元から居間で茶を嗜んでいた鶯丸と三日月宗近は我関せずと正座をしている。

「すみませんな、主。なにせ弟たちの頼みでして…」
「申し訳無い、次郎を止めることができず…」

「ハッハッハ!こりゃあ驚いた!騒がしいなと思って来て みればこんな…… 主、俺もひなまつりをしてみたいなぁ?」

息を切らして長兄方が回収に来ると同時に 声高々と驚き爺がやってきた。

「はぁ…だからな鶴、うちには女子が……」

ちらりとそちらを睨んでやろうと目を向けると
大きな"胸"をはって仁王立ちをしていた。

「ふふん、どうだい?驚いたか!」

隣りに居た一期はとっさに目を覆い、太郎は天を仰いだ。

いつもの軽装姿の鶴丸(女)は当然下着など着けてる
はずもなく。
筋肉の消えた細い柔らかそうな腕が延びている。

「……鶴、ちょっと来い。」

「ん?どうした反応が薄いな…ってうお!?」

居間を離れると襖が閉まる音がした。 ありがとう、長兄。

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
…主命だ、始めよう。

ひな祭りの起源は約1000年前程だそうだ。

もともとは無病息災を願う行事だったらしいが 江戸の頃に女子の"人形遊び"と"節句の儀式"が 結びついたことで全国に広まり、人形を飾るように なったらしい。

3月にひなまつりをするということになったのは 大正以降かららしいぞ。

…さて、そろそろ戻るか。 ん? なんでこんなことしてるのかって? 主命だからな。それ以外に何がある?

じゃあ俺はもう戻るぞ。あの新入りに主を取られたら敵わんからな……
______

「おお、主殿、無事に帰ってこられましたか。」
「一期ぉ…それは俺に言ってほしい言葉だぜ……」

さらしを巻かれて苦しそうな鶴丸が
一期のフードを引っ張る。

「ぐえっ、ちょ、鶴丸殿!苦しいですぞ!」
「うるせぇー!バグがなくなるまでこのさらし巻いたままですごせなんて…!一種の拷問だろう!!」

涙目で訴える鶴丸を傍に控えていた太郎が引き剥がす。

「鶴丸殿、あまりそのようなことをなされてはいけませんよ。今は仮にも女子の身体なのですから。」
「はぁあ!?くっ、この身体になってから思うように力がっ…!」

悔しそうに唇を噛み締め
太郎の手首と一期のパーカーを握り締める鶴丸。

「主…んん?その格好、鶴丸か?丁度いい!一緒にひなまつりをするよう主を説得しよう!!」
「はぁ…今それどころじゃねえんだよ……」
「諦めなさい、鶴丸殿。日頃の行いでしょうに。」

ぜえはあと大袈裟に息を切らす鶴丸は
ふと思い立った。
(…ひなまつり、と言ったな。と言うことは……)
キラリと目を光らせ後ろにいた審神者に目を向ける

「主!俺は今女だろう!ならひなまつりをしてもいいんじゃないか!?どうだ!」

してやったり、
そんな顔で審神者を見据える鶴丸国永。
そして

「元は男だし、それ以上は成長しないだろう?」

それを一蹴する審神者。

「えっ、鶴さん女の子だったの?」

勘違いをする燭台切光忠。
これをひとえに、"カオス" と呼ぶことができる。


そんなこんなでざわめきで終わった3月3日。
結局は、盛大に勘違いした燭台切が
ちらしずしを振る舞い、事態は無事に落ち着いた。

──────

賑やかな本丸の賑やかなひなまつり。
お楽しみいただけたなら幸いです。

2/25/2024, 11:07:17 PM

物憂げな空

「もう真っ赤ね」
彼女はそう呟く。
「何がだい?」
「お空よ、お空。さっきまで真っ青だったじゃない。」
唇を尖らせ不満そうに言う。
「あたし青いお空のほうが好きなのよ。」
「そうかい?僕はこの日が沈みきらない
物憂げな空が、好きだよ。」
空気を少し吸う。

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