最悪
最悪な気分とか
最悪な性格とか
いろんな最悪がある。
中でも一番”最悪”なのは
未来を考えて死にたくなってる
過去の自分。
誰にも言えない秘密
生きてりゃ誰しも
一つや二つ
言えないような秘密が増えていく。
気持ちに無意識に蓋して
自覚はないけど
秘密がある
そんな人いっぱいいるのに。
曝け出すのは怖いから
こうやって
SNSでイキガッたり
誰かの悪口書いて
ストレス発散するんだ。
こうして
また一つ
秘密が増えるんだから
本当に
愚かだよね。
狭い部屋
壁も床も全部白い。
この間よりかは幾分と広いけど
まだ手足が十分に広げられない。
立ち上がって伸びをすることも叶わない。
ガチャッ
玄関の開いた音がした。
いい子にしてた?
柔らかな笑みでこちらを見据える。
僕、まだあのこと許してないからね。
だから、
くらくらする。
彼の匂いだろうか
彼の言葉が入ってこない。
…………いい子にしててね?
声が、こえが
「うん。」
失恋
今日こそは。
いつもより早起きして。
いつもより可愛くメイクして。
いつもよりふわふわに髪を巻く。
カバンの中には
試行錯誤してやっと出来上がった
少し歪なチョコレイト。
何度も鏡を見て
いつもよりとびっきりに可愛い
じぶんを確かめる。
いつの間にか、学校について
なんか、今日可愛いね って
いつの間にか、放課後になって
渡さなきゃって探してた。
「……のっ!付き合ってくださいっ!!」
彼女は、顔を真っ赤にして
「えと…俺、でいいの?」
彼も、顔を真っ赤にして
ふとカバンの中のものに目を落とす。
キレイなラッピングをしてる。
「ださ……」
もうどうでもいいや。
友達が待ってる
早く帰ろう。
正直
正直の頭に神宿る
家の人たちはこれを
とてもとても信じていた。
僕もすっかり信じてる。
でも
どうしても
信じているのは
とても難しい。
僕と話すとき
みんな
一瞬だけ嫌な顔をする。
そしたら
何事もなかったように
話し出す。
神様が宿る正直な子。
みんなの模範で賢い子。
僕はとっくに
正直じゃなかったみたい。