にわかなオタク MZRYA

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6/3/2023, 12:45:40 PM

失恋

今日こそは。
いつもより早起きして。
いつもより可愛くメイクして。
いつもよりふわふわに髪を巻く。
カバンの中には
試行錯誤してやっと出来上がった
少し歪なチョコレイト。
何度も鏡を見て
いつもよりとびっきりに可愛い
じぶんを確かめる。
いつの間にか、学校について
なんか、今日可愛いね って
いつの間にか、放課後になって
渡さなきゃって探してた。
「……のっ!付き合ってくださいっ!!」
彼女は、顔を真っ赤にして
「えと…俺、でいいの?」
彼も、顔を真っ赤にして
ふとカバンの中のものに目を落とす。
キレイなラッピングをしてる。
「ださ……」
もうどうでもいいや。
友達が待ってる
早く帰ろう。

6/2/2023, 10:33:03 AM

正直

正直の頭に神宿る
家の人たちはこれを
とてもとても信じていた。
僕もすっかり信じてる。
でも
どうしても
信じているのは
とても難しい。
僕と話すとき
みんな
一瞬だけ嫌な顔をする。
そしたら
何事もなかったように
話し出す。
神様が宿る正直な子。
みんなの模範で賢い子。
僕はとっくに
正直じゃなかったみたい。

6/1/2023, 10:07:30 AM

梅雨

窓の外はしとしとと雨が降り続いている。
激しくなるのと比例して
頭が痛くなる。
いつまでも降り止まない雨は
まるで何かを洗い流しているかのようだった。
このジメジメは多分
排気ガスのようなソレだろう。
手を伸ばして、空を切る手を見る。
私の醜い想いも
全部洗い流してくれたらいいのに。

5/29/2023, 7:54:12 AM

半袖

5月の、蒸し暑い日
自転車に乗って
暗い雲の下を横切る。
ポツポツと当たる
大きな雨粒が
ペダルを漕ぐ足を催促させる。
腕に張り付いたシャツが
湿った空気を直に伝える。
手前を横切った小学生たちが
高い声を出してはしゃいでいる。
傘を持たずに走っていく。
彼らを見て
夏服で来ればよかった
なんて思った。

5/25/2023, 10:02:26 PM

いつまでも降り止まない、雨

かつて、世界は青い空を持っていた。
変わりゆくソラというもの。

煌めいて、すべてを照らす強い光。
みんながみんな、手を取り合って生きてきた。

世界が、曇天に包まれた。
頻りに降ってくる雨。

誰もが最初は
早く晴れればいいな

最小の憂いを胸に秘めた。

せめて、一筋の願いが
曇天に包まれぬように。

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