M.IZRY−I'm little cat.

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5/23/2023, 1:08:53 PM

逃れられない呪縛

目の奥から
じわじわと真っ黒い闇が
這い上がってくる
もう足の付け根辺りまで
侵食されて
動くことすら敵わない
声も出ない
そもそも周りは
真暗闇で
人が居るかもわからない
心臓の辺りが冷えていく


また、忌み子

5/21/2023, 11:14:10 AM

透明な水

傘を差して
鬱蒼と繁った森の中
遠くにある廃墟
かつて立派な洋館だった
窓から止め処無く
透明な何かが押し進んでくる

決して足を踏み外さぬようご注意を
足を取られて帰れなくなりますから

5/18/2023, 1:56:31 AM

真夜中

暗いと顔や服装など何もかもが判別できなくなる。
もしかしたら
愛しいあの人の声で 愛してる と
憎いあいつの顔で言っているかもしれない。
美しく可憐な天使の中に
醜く恐ろしい悪魔が入ってるかもしれない。
血に塗れた恐ろしい吸血鬼
協会で祈りを捧げる神父
それらのどちらが恐ろしいのか
……話が脱線してしまったね。
ねぇ、君等は俺の話を聞いてどう思った?
…………なんにせよ、もう、手遅れだろうネ。
こんな時間に俺の話を聞こうとした時点で。

5/16/2023, 8:21:19 AM

後悔

手。
夏祭り。
真っ黒な目。
清潔な匂い。
目の前に居たのに
のばせなかった。
煙の匂い。
真っ赤な髪。
横断歩道。
足。
潰れた靴は
それとなく
自分のしでかした事を
大きく
肥大させた。

5/12/2023, 4:02:12 AM

愛を叫ぶ


⚠同性愛の表現が含まれています!⚠


波打ち際
はるか真下に見える白波
心臓が痛いぐらいに打っている
怖いのに
何故か楽しくなってきた。
「ね、どうする?やっぱやめる?」
隣の彼はそう言ってこちらを見やる
「なんでだよ…ここまで来て、ここまで期待させといてやっぱなしとかマジで趣味悪ぃからな。」
今は冬の真っ只中
繋いでいる手は
もう開ききることが出来ないくらいに凍えてる
足を一歩前に出す。
彼は慌てて俺を引き戻す。
「……っ待ってよ、一緒。」
不安そうに眉をひそめ俺の目を覗き込む
「ん、当たり前。」
同仕様もなく愛おしい。
せめて俺が女だったらと
アイツにこういう感情が芽生えなければと
「…………ね、だいすき」
「……うん」
俺は意気地なしだ
「一緒。一緒だよ。ずっと。」
「そうだな。ずっとだ。」
「………………だいすき、だよ。」
ふと、腕についた時計を見る
「ん、そろそろだな」
「そっか…」
俺は今になっても
この気持ちを言葉にするのを憚ってしまう
「あんね、すごく、いま、しあわせだよ。」
少し潤んだ目で
こちらをじぃっと見つめてくる
「…ん、おれ、も」
はっきりと言葉に出来ない
              ピピピピッ
事前に設定していたアラームがなる
「……んへ、いざとなったら、ちょっと怖いや。」
今まで目を背けていた真下に目を向ける。
「せーのだよ、一緒にいくんだから」
手を、痛いぐらいに握り込む
「「せーのっ!」」
落ちていく。
今までにないくらい
あいつの顔は
キラキラしてた

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