にわかなオタク MZRYA

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5/12/2023, 4:02:12 AM

愛を叫ぶ


⚠同性愛の表現が含まれています!⚠


波打ち際
はるか真下に見える白波
心臓が痛いぐらいに打っている
怖いのに
何故か楽しくなってきた。
「ね、どうする?やっぱやめる?」
隣の彼はそう言ってこちらを見やる
「なんでだよ…ここまで来て、ここまで期待させといてやっぱなしとかマジで趣味悪ぃからな。」
今は冬の真っ只中
繋いでいる手は
もう開ききることが出来ないくらいに凍えてる
足を一歩前に出す。
彼は慌てて俺を引き戻す。
「……っ待ってよ、一緒。」
不安そうに眉をひそめ俺の目を覗き込む
「ん、当たり前。」
同仕様もなく愛おしい。
せめて俺が女だったらと
アイツにこういう感情が芽生えなければと
「…………ね、だいすき」
「……うん」
俺は意気地なしだ
「一緒。一緒だよ。ずっと。」
「そうだな。ずっとだ。」
「………………だいすき、だよ。」
ふと、腕についた時計を見る
「ん、そろそろだな」
「そっか…」
俺は今になっても
この気持ちを言葉にするのを憚ってしまう
「あんね、すごく、いま、しあわせだよ。」
少し潤んだ目で
こちらをじぃっと見つめてくる
「…ん、おれ、も」
はっきりと言葉に出来ない
              ピピピピッ
事前に設定していたアラームがなる
「……んへ、いざとなったら、ちょっと怖いや。」
今まで目を背けていた真下に目を向ける。
「せーのだよ、一緒にいくんだから」
手を、痛いぐらいに握り込む
「「せーのっ!」」
落ちていく。
今までにないくらい
あいつの顔は
キラキラしてた

5/11/2023, 3:29:45 AM

モンシロチョウ

小学生の頃は
自然豊かな場所でのびのびと暮らしていた。
当然
虫もそれなりに多かった。
網で捕まえたトンボ
手で無理に掴んだバッタ
全部が全部捕まえられたわけじゃないけど
印象に残ってるのは
友達と
帽子で捕まえようとしてたモンシロチョウ。
真っ白でひらひらと風に舞って
帽子を使って捕まえようとした。
帽子の縁に当たって
地面に叩き付けられた。
でもすぐにひらひらと舞っていった。
呆然としていて
追いかけることはしなかった。
ただ
必死に羽ばたいて
必死に逃げる様が
目に焼き付いて
離れない。

5/10/2023, 3:23:30 AM

忘れられない、いつまでも

幾年もの時が過ぎた。
街はすっかり元の活気を取り戻しつつあった。
これから、人間はまた
愚かに繰り返していくのだろうか。
かつてを忘れて
今を愚直に開拓していく。
それでも
悠久を生きるこの体を
幾万もの命を見送ろうと
忘れられない出来事
数えきれない恨みと感謝を
背負って
活きていく。

5/9/2023, 7:56:10 AM

一年後

高校に入学して一ヶ月くらい。
入学式の直後に連続で休んだ。
ただ、なんとなく。
漠然と恐怖が募った。
体調不良を理由にして休んだ。
程なくして、親に
出席日数が足りなくなる。
と叱られた。
本当に体調を崩して休むこともあった。
ただ、怖かった。
眠れなくなった。
固形物が喉を通りにくくなった。
これから
ちゃんと進学できるか
とても不安だ。

5/5/2023, 11:34:40 AM

君と出逢ってから、わたしは…

スマホの通知がなる。
読んでいた本をしおりを挟んで閉じる。
スマホを開いて通知を見ると
「…っ!!」
思わず大きな声を出してしまいそうになる。
3、4年前ぐらいから聞き始めたバンド。
最初はライブ配信も同接が10人いるかいないかだったのに
ここ最近テレビに取り上げられたりして
とてつもない勢いで名前が拡がっている。
それが
「ワンマン…ライブ……!!」
遂に、ついに
彼らの歌が生で聞ける。
胸のあたりがぎゅうっとなって
漠然と『嬉しい』という想いが込み上がってきた。
始めて彼らの歌を聞いたとき
                 共感
それが一番合う感情が出てきた。
特にそれ以外に何もなかった筈なのに
ずっと、今になるまで聞き続けている。
この感情は、
彼らの歌を聞く度に
込み上げるんだろうな。

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