刹那
2月14日
「はやくしてよ〜…」
彼女は横断歩道の真ん中で
こちらを向いて口を開いた。
ここは田舎だから車なんて通らない。
「んぇ〜…先行ってていいよ~紐結んでるだけだから。」
「え〜…」
私は特に考えもせず足元に目をやった。
「……ねぇ、」
彼女が口を開けた途端何かがぶつかる音がした。
すごい衝撃音だったから思わず顔を上げた。
「…あれ、」
彼女はそこに立っていなかった。
あったのは、
タイヤに潰されたチョコレートだけだった。
生きる意味
考えてみると案外
くだらないものばかり浮かんでくる。
推しを見ていたい
もっとゲームしたい
友達とお喋りがしたい
いつでもできるけど
死んだらどれもできないから
だから生きてる。
生きる意味なんて
これだけで充分。
流れ星に願いを
真夜中。
都会の空は星など見えない。
代わりに地上にはこれでもかというほどの
蛍光灯とLEDライトの光が瞬いている。
いつかに見た願い星。
さらさらと流れる筋たちの夜。
車のランプが駆け抜けていく。
似ているのにどこかが違う。
この流れていく地上の星たちには
いくら願っても
私の思いは聞き届けてくれないんだろうな。
ルール
人に悪口を言っちゃいけない。
「ヤバイ」って言葉、どっちの意味にも取れるけど使っちゃいけない言葉?
他の人たちに迷惑をかけちゃいけない。
怒ったり怒られたり、泣いたり泣かれたり、生きてると他人に迷惑ぐらいかけるじゃん。悪いの?
遅くまで起きてちゃいけない。
大人の人は夜遅くまで仕事をしている。たとえ勉強だとしても駄目なの?
生き物を無闇に殺したらいけない。
生きるのに必要なことなんだ。なんで人間は駄目なの?他の動物はいっぱい殺してるじゃん。
自分を傷つけたらいけない。
どこからどこまでがいけないの?彫刻刀で指を切っちゃった。サッカーで転んで、頭を打った。高いとこから飛び降りて足をひねった。
何が必要で何がいらないのか。
ルールってそんなに必要?
今日の心模様
キラキラ
ふわふわ
しあわせなきもち
いつもとはちがうゆったりしたきもち
ずっとあったかくて
ころころころがる
かわいくて
あまいおかしもいっぱいあるよ
またここにきたいな
またあした