「ススキ」
そろそろススキの季節。
ススキは9月から11月くらいになると見れる。
別に綺麗でも、なにかすごいものでもない。
でも、僕はススキが好きだった。
ごく普通のススキが。
僕は普通になりたかった。
生まれつきの金髪も青い目も。
全部嫌いだった。
なんでこんな見た目なんだ。
いつもそう思ってる。
でも、ススキは普通だ。
それに植物は僕のことを珍しがらないから。
僕もススキのようになりたいな。
「脳裏」
君には生きて欲しい
僕はもうすぐで天国に行く。
君との光景が脳裏に焼き付いている。
同じ空を見て、同じ空の下にいる。
同じ時を生きている。
そうなのに、こんなにも違うなんて。
君の笑う声が聞こえると胸が苦しくなる。
この声も姿も全て、もうすぐでなくなってしまう。
君に会えなくなるのがこんなにも辛いなんて。
こんな気持ち知りたくなかったな。
君に出会わなければ。なんてことが頭によぎる。
でも、、そんなにも素敵な人だから好きになった。
サヨナラを告げたくないよ。
君のそばで、もっと同じ時をすごしたい。
そんな考えが脳裏をよぎる。
でも、叶わない願いなんだよね。
いつまでも、、覚えていて欲しい。
僕との日々を。
「意味がないこと」
人を好きになる、嫌いになる。
そんなことに意味があるの?
傷ついたり、舞い上がったり、なんでこんなに感情は動くの?
僕には分からないよ。
人を好きになっても傷つくだけなのに。
こんなの意味ないんだよね。
僕の前に彼女は急に現れた。
意味の無いことなんてないよ。
そういう君は僕には輝いて見えた。
彼女に心を動かされた。
彼女のためなら傷ついてもいいって思った。
意味の無いことなんてない。
その意味が少しわかった気がした。
「あなたとわたし」
あなたとわたし。
妖怪と人間。
私たちは恋に落ちた。
妖怪と人間のハーフの彼と人間である私。
近いようで遠い距離。
会いたくても会えないふたり。
こんなにも辛いものがあるなんて。
みんなと同じように好きな人を好きなだけなのに。
私たちは人間界と妖怪界の狭間でしか会えない。
いつかこっちにおいでよ。
街を紹介してあげる。
だから、また夕方のこの時間に。
彼との約束。
それは永遠に交わることの無い世界で交わされる。
あなたとわたし。
いつかそばにいられる日が来ますように。
「柔らかい雨」
雨なんて嫌いだ。
晴れてる方がいいに決まってる。
雨が好きなんていう人いるのか?
雨の日は学校に行く気がなくなる。
いつも通り、傘をさして学校に僕は向かいながらそう思った。
そして、いつも通り授業を受け、帰ろうとした時。
僕が片思いをしている彼女が下駄箱で止まっていた。
「どうしたの?」と声をかけると
「傘忘れちゃって」と彼女は言った。
「家まで送ろうか?」と僕は勇気を出した。
「いいの?近いから弱くなったら走ろうと思ってたんだけど。」
そういう彼女に僕は
「今風邪ひいたら大変だし、良かったら。」
「ありがとう。」
という彼女。僕は少し雨に感謝した。
いつも、痛く感じていた雨が少し柔らかく感じた。