かんぱち

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10/7/2024, 8:18:01 AM

世も末と声に出す
世も末という言葉があるということは
その単語が生まれたときも
干からびていくだけの
未来しか見えなかったのだろう
良かった時代なんてどこにもなくて
そんなものは
まぼろし
蜃気楼
逃げ水
輝かしかった気がするのは
夕日が眩しいのと同じ
私はもう戻りたくないよ
眩しすぎて苦しかったから
過ぎた日を思うとき
覆い隠したいものがそこにはある

10/5/2024, 10:21:04 PM

夜空をめぐる星の名を
星を結ぶ古の神話を
たとえばひとつでも知り得ていたのなら
わたしの心も少しは豊かであったことでしょう
それでも
わたしの目に映る幾多の輝きは
あの星々の最期なのだという事実が
無知なるわたしへの
たったひとつのなぐさめなのです

10/1/2024, 10:13:33 AM

まんまるの
沈んでゆく太陽を
ずっと見つめていた君
オレンジ色の球みたい?
あれは君のおもちゃではないんだよ
長い髭が銀色になる
赤毛の背中のなだらかな輪郭
君のことが好きだったよ

9/28/2024, 10:30:37 AM

おやすみと文字を打って
眠るスタンプ
すぐに
おやすみの文字の入った
寝ているスタンプ
負けじとこちらも
眠っているスタンプ
スタンプのラリーの応酬
おやすみと入力して
候補に出てくるスタンプをありったけ送って
これが本当のおやすみ
また明日

9/28/2024, 8:44:43 AM

階段を駆け上って
脛をぶつけた
慌てて閉めた窓には
前回の雨の跡
雨の匂いが立ちのぼる
季節が流れてゆく

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