あの夢のつづきを


あれは夢だったのかと思うほど、あの一年は走馬燈のように過ぎていった。片付けをしていると、夢ではない証拠のようにその欠片が残っている。楽しく充実した一年であり、苦しく藻掻いた一年でもあった。それでも、あの夢を見ることができて良かったと思う。もう夢のつづきを見ることはない。

星のかけら


このカケラを集めたら
星のカタチになっているのか。
このガラスを溶かしたら
またカガヤクのだろうか。
このカラスは黒いけど
イツカ幸せを呼ぶ鳥になるのか。
星のカケラは海底で星砂となって
願いカナエテくれるだろうか。

RingRing……

家の電話が鳴る。
家の電話には基本出ない。
だってこっちは用事ないもん。
電話の折り返しを待っている
時だけ瞬時に受話器を取る。
自分勝手なワタシ。

家の電話が鳴る。
気まぐれで電話に出てみる。
「はい♪もしもし…」と
よそ行きの声で出ると
「♪コチラハ………」と
自動音声ガイダンスが流れる。
私のよそ行き声と数秒の時間と
少しの労力を返してくれ。
ゆっくりガイダンスを聞いている
ときではなかった。

RingRing……
家の電話が鳴る。

追い風


YouTubeのタロット占いに
一時期ハマっていた。
娘と私の星座を両方チェック
しては、どっちでもいいから
良い兆しが訪れないかを願う。
娘の幸せは私の幸せ。
私の幸せは娘からやってくる。
何かにすがりたくて。
大丈夫だと言ってほしくて。
滞った暗雲に追い風が吹いて
明るい空が見えますように。
遠くの海が輝きますように。

幸せとは


幸せとは、大切な人がいること。
大切な人が目の前にいることは
このウエなく幸せなこと。
大切な人に大切にされることは
このウエの上の
アイほど幸せなこと。