「夜の海」
ベランダに立つとね幾数千、幾数万の星達が泳いでる
ちかちかと微かな光を発してお喋りしてるんだ
楽しそうに、時に辛そうにね
吸い込まれそうになるんだ
それはとても心地よく
僕らが地上の一つの星として生きているのなら
昼間に隠しているリアルな悩みが夜に浮き彫りになって
闇夜に謙虚に表れるのかもしれない
夜に孤独な海を それでも
懸命に生きていこうと足掻いて
寂しさから人を求め互いの傷を舐めあい
或いは
一人静かに反省会なんかしてるんだ
そう思うとね
夜の海は嫌いじゃないんだ
悩みに大小なんて関係なく
みんな何かしらを抱えて生きていこうとしてる
だから
こんなに心地よい安心感が生まれてくるんだろうね
吸い込まれそうになるのはきっと
私の意識が飛んでるのだろう
夜の海に
だから 次の日も頑張ろうって気持ちになるんだろうね
大丈夫
私は独りじゃない
みんなも独りじゃない
「心の健康」
疲弊した私
感情さえ消えそうになる
そのギリギリを
心 すり減らしながら生きている
それはきっと
貴方の存在があるから
倒れそうな私を 後ろで支えて
壊れそうな私を 声で掬って繋ぎ止めて
私の心の健康は貴方に守られて
ギリギリの生を生きている
私の心はいつでも貴方に還って
貴方の愛に包まれる
「君の奏でる音楽」
胸に触れる鼓動
規則正しいリズム
高鳴り
赤く色づいて
まだ 大丈夫
君の奏でる命の旋律
美しく
「上手くいかなくたっていい」
たとえば 恋に仕事に
上手くいかなくったっていい
何をするにも
マニュアルなんてないのだから
上手くしなければ……
この「しなければ」の鎖に囚われ雁字搦めになると息がしづらくなる
その鎖は負の鎖
おかしな事に
藻掻けば藻掻くほどに……
足掻けば足掻くほどに……
深く躰に食い込み蝕まれていくのだ
上手くしなければ……
それは 己を鼓舞すると同時に負のループに陥る禁呪に想えてならない
上手くしなければ……を
「上手くいく!」に脳内変換すればどうだろか……
それも己を鼓舞するには強力な呪文だろう
しかし上手くいかなかった場合のハンデは大きい
いやに ネガティブな思考
自分が嫌になってくる
しかし そうしなければ
心の弱い者は己を守れないのだ
上手くいかなくたっていい
そう このくらいの気持ちが丁度いい
何事も マニュアルなんてないのだから
上手くいかなくったって
生きていればそれでいい
息して生きている
もうそれだけで
「人生上手くいっている」
それ以上 多くを望むまい
だから 「上手くいかなくたっていい」を合言葉にし
もっと、もっと肩の力を抜いていいんだ
私も 君も 誰もかれも
「蝶よ花よ」
蝶よ
花よと
ちやほやされた経験などないから
分からないのだけど
そうされるには
それなりの魅力があるのだろう
私には
それだけの魅力がないという事実のみ
可愛げがないから愛でられない
それだけの事
そう
貴方にさえも
だから
嫉妬してしまうのは
きっと 無意味な事
ならば
蝶よ
花よと
愛される 愛でられる
努力をすればいいだけなのに
変なプライドが邪魔をする
みっともないと
心の中に小さな鬼が住む
アマノジャク
だから 私は醜くて
蝶よ
花よと
言われる人の対極に生きている