「だから、一人でいたい。」
忘れてしまいたい
あやふやな態度のまま
私を
好きだ、とも
愛してる、とも言わない
そんなあなたを
時間が忘れさせてくれる?
いいえ
記憶が薄らいだとしても
きっと心の中は
あなたでいっぱいだ
簡単には消えやしないの
だから、一人でいたい
あなたを ひっそりと
想い焦がれて涙にくれる
寂しい夜を過ごそうとも
何故か胸はあったかいから
そう あなたは
愛が何かを教えてくれた
私が最後に愛したひと
「澄んだ瞳」
孤独を抱えた君は
何故か澄んだ瞳をしてた
君の腕の中
安らかな寝息をたてている 孤独達
とても安心しきった顔だった
僕の顔は何故か歪みきっている
不意に君が手を伸ばす
迷う 僕
躊躇う 僕
幾度となく繰り返された問答
華奢な君の腕 か細い指先
その姿 凛として
恐る恐る はじめて触れる君に
何故か恥じらいを感じてしまう
はじめて僕を認めて受けとめてくれる
その準備はもう できたようだ
迷わず僕は君の腕の中に身を委ねる
僕を抱いた君は
澄んだ瞳をしていた
「お祭り」
賑やかな空気が
終わりを告げようとしている
人混みが次第にまばらになっていく
少し寂しい祭りあと
少し背伸びして着てみた浴衣
ぬるい風が頬を撫でる
泣いてなんかないよ 大丈夫
クラスのみんなで一緒に来た夏祭り
少しばかり君の反応に期待していた
けれども君は素知らぬ顔で
あぁ、馬鹿みたいだ私
寂しいのは私の心なのだ
とぼとぼと帰る帰り道
夜道に浮かぶシルエットが
いつの間にか二つ重なる
無言で君が隣に並ぶ
照れくさそうに小声で
浴衣が似合ってる
そう言って走って行ってしまった
あぁ、胸が太鼓のリズムを刻む
それはこれから始まる
恋のお祭りを告げるものだった
「神様が舞い降りてきて、こう言った」
空を眺めてた
蒼い 碧い 空に白い雲が
ふわり また ふわり
まるで
太陽を両翼の翼で支えているみたいに
白い雲が黄金の翼になっていく
まるで 神様みたいだ
メルヘンちっくな考えが浮かぶ
そんな空を見て
神様が舞い降りた、と昔の人は
思ったのだろうか
今ならその気持ちわからなくもない
優しい光に頭を撫でられて
自分が望む言葉を降り注いでくれるんだ
たとえば
よく頑張ったね、とか
神様が舞い降りてきて、こう言った
時には そんな空想に
頼りたくなるときだってある
そんなメルヘンちっくな思考回路に
現実逃避したくなるときも
たまにはあっても
いいんじゃないかな
「誰かのためになるのなら」
道化を演じることで
誰かのためになるのなら
それでもいい
なんて
そんなバカげた事はないんだよ
嗤われたら怒りをぶつけてもいい
誰かのため を
考えるよりも
まずは自分のためを
一番に考えてよ
憤りに蓋をせずに