題名『日焼け対策』
(裏テーマ・半袖)
ペットの小型犬の洋服を半袖にした。
短い腕と足だけど、これが可愛い。馬鹿親だ、嘘はつけん。
ついでに、寝たきりの親父のパジャマも半袖にした。
二の腕も太腿も折れそうな細さ。痩せ衰えて怖くなる。
娘が半袖を着ていた。
はち切れそうな若さの肉でパンパンだった。
「恋して痩せろ!」
などと言ったら殺される。
私も半袖を着た。
みすぼらしくて慌てて着替えた。
今年の夏は
日焼け対策の長袖で勝負する、決意をする。
題名『詐欺?』
(裏テーマ・天国と地獄)
プロポーズした彼女のお母さんが借金を作って自殺しようとしたらしい。相手がグレーというかブラックな店で借りていたみたいで追い込まれていたことがあとから分かったらしい。かなり脅されてヤバいことになっているらしい。
「総額で400万円になってるけど、いろいろ親戚に土下座してなんとか200万円は用意したけど残りの200万円を僕に貸してくれと相談された」
友人に相談したらみんな結婚詐欺だと忠告してくれた。中には一緒に警察に行こうと言ってくれる人もいた。
話しが長くなるので結末を言うと、僕はお金を渡さなかった。
そして彼女は風俗で働きだして慌ててもう一度話をすると、借金は全部彼女のものだった。それを悲観してお母さんが自殺未遂になったらしい。
しかも借金の理由はパチンコだった。
みんなから、結婚する前に分かって良かったねって言われた。
そんな女と別れても、もっと良い人と巡り会えると励まされた。
だけど、僕は彼女と結婚をする。
すべてが公になって彼女から結婚の話しは白紙に戻して欲しいと頼まれそうした。
一旦はそうしたけど、それで僕の本当の気持ちに気づいたんだ。
天国と地獄、彼女と出会っていろいろあったけど、地獄のような日々も君がいれば幸せだった。辛かったのは君との関係が無くなることだった。
今でもまわりからは反対する声もあるけど、結婚式の費用として貯めてた貯金で彼女の借金は完済した。
質素な新婚のスタートだけど、今が僕は人生でいちばん幸せです。
これから、パチンコ依存の彼女は大変だと思うけど、落ちるなら
一緒に地獄にも落ちてゆく。
そこが二人の天国だから。
題名『約束』
(裏テーマ・月に願いを)
ふと、思ったんだ。
星に願いをってピノキオだっけ。
淋しい夜に祈ったら願いが叶うって、嘘なのに歌うと信じたくなるんだ。不思議だよね。
じゃあ、私は月に願いをって祈ってた君も面白い。
理由を聞いたら、私は星の数ほど夢は叶わなくていいって言っていた。1つだけでいいって。
それは何?って聞いても教えてくれなかった。
誰もそのモノが夢を叶えるなんて思っていない。
祈りとか願いって、約束って名前の願望だよね。
他力本願じゃなくて、自分がそうしてみせるっていう宣言みたいなものかもしれない。
大切なのは、また同じ時間に同じ場所で会えるモノに、叶えてみせるって約束したいんだ。
目撃した証人として。
月に願いを。
「私の心が誰かに届きますように」
その誰かが、君ならいいのに。
それは贅沢でしょうか?
あっ、君の願いは親だよね。
そばにいたらわかるよ。
うん、がんばろうね。
題名『幸運』
(裏テーマ・降り止まない雨)
通り雨に降られて雨宿りをした。
西の空は明るいのですぐに止むと思っていたのに、今見ると黒く暗くなっていた。チェッ、騙された。
だから少し濡れても走って駅の方へ戻った。
今日は体調が悪くて会社を早退した。
駅からバスで15分。そこが私のアパートだ。
なのに歩こうとした。それは仮病だと言うことである。
なかなか、降り止まない雨。
田舎で昼のバスは1時間に1本も走らない。
駅の前にあるコンビニに寄った。
コーヒーを買って窓際にある椅子に座った。
はっとして目覚めたら、目の前にバスが見えた。
慌てたがあとの祭りだ。
15分も寝ていた。コンビニに来るんじゃなかった。
今度は1時間後だ。
雨はまだ降り止まない。
この駅前の道を少し進むと美味しい魚料理メインの定食屋がある。行ってみることにした。
そう、そこでも1時間あるからゆっくりしてたらバスにまた乗り遅れてしまった。
この後の便は事故があり渋滞に巻き込まれて大幅に遅れた。
このあと、雨は止んだけど猛烈な竜巻が発生したらしい。
ニュースで聞いたら、私のアパートを直撃していたらしい。
私の隣のおばあちゃんが犠牲者になっていた。
今日はものすごく運が悪いと思っていたけど、逆に幸運な1日になっていた。
帰りのバスの中で宝くじを買った。
明日の辞表も出すのをやめよう。
運命って奇妙だけど、幸運は生きる勇気になる。
あれ?
そうか、アパートがない!
今夜は私はどこで寝るの?
そうだ荷物が飛ばされたんだ!
最悪だった。
んー、命が助かったので幸運だった?
んー、人生は難しい。
ガクン。
題名『緊張』
(裏テーマ・あの頃の私へ)
あなたは自分が好きですか?
そう聞かれたら、私は大っ嫌いと言うでしょう。
未来が楽しみですか?
絶望しかありません…と答えるでしょう。
でも、何をしても私は緊張する。
緊張とは、自分の能力を過信し結果に執着することで起こる現象です。
つまり私は、自分が大好きで将来に夢見ていて、しかもそれに気づかず反対のことを言っている痛い人間のようです。
私は歌が好きでした。
みんなの前で熱唱したら爆笑された。
「あなたって愉快で楽しいね。友達になって」と言われた。
私は真剣だったのにふざけて下手に歌った振りにした。
「好きです」
そう告白したら、
「マジ?、そのブサイクで?」
そう言われて咄嗟にアニメのキャラクターの名前を言った。その人が大好きなことを知っていたから。
とりあえず話は盛り上がり近づけたけど、失恋した。
そして、少し疑ってはいたけど、私がブサイクなことが不安から確信になった日でもあった。
だって家族も友達も私の顔をいつも可愛いって言うから信じてしまっていた。
それ以外にも色々あった。
特にあの頃の私へ言うなら、家族の言葉は信じるな、世間はかなり嚴しいぞってことかな。
それでも今も何をしても緊張する。
自分に期待するし、期待以上の結果も欲しくなる。
「それでいいんじゃない?」
そんなことを言う人に出会った。
自分を侮辱してイジメて虐待する。一番の加害者は自分ってことが多いんだって言う。
一流のプロデューサーはどんた商品も人もヒットに結びつける自信を持っている。つまり、この世に魅力の無い物は存在しないと言いきった。
駄目なんじゃない。
良さに気づいてないだけと言う。
そう、それが今の私の彼氏。
私を肯定してくれる人。