3/31/2024, 11:40:58 PM
詩『プラットフォーム』
新幹線の上りのプラットフォーム
荷物は日付指定で送ったらしい
遅めの桜が駅のベンチまで舞い落ちる
君も薄めのピンク色の洋服で
女友達とはしゃいでた
発車のベルと音楽が鳴り
イカツい鼻の天狗のようなヤツがくる
お腹をすかした餓鬼のように
乗客たちを食べ尽くす
ガラスの窓越しに
泣きながら必死に手を振る君がいる
恋じゃなく、
友達を選んだ未来の切符
一瞬、目と目が合ったら動き出す
がんばれ!じゃなく呟いたのは
「幸せに」
永遠の別れと知っているから
3/31/2024, 1:50:14 AM
『閉店時間』
チリン、チリチリリン。
鈴のついた定食屋の古いドアを開けたように、賑やかな音を響かせてあなたは出てゆこうとする。
後悔という、お釣りも受け取らず、たくさんの管を付けたまま酸素マスクは曇ってる。
私を泣かせないためか、いつもの優しい顔で、穏やかな顔で、何気ないふりで、密やかにあなたは死にました。
何気ないふりで、しばらく呆然としていた私は、看護師さんに揺さぶられ、生まれて初めて声を出して泣きました。
「おかあさん!!!」