別れ際に、おめでとうと言ってきたあの子。
私より身長がちっちゃかったあの子
おててもちっちゃくて
なくなってしまいそうで
でも
真っ暗で心細かった毎日を
大きくてらしてくれた
微かに見える光を掴もうとする私に
そっと手をあて
「会えるのは、しばらく先か、またね、」
そして、
「おめでとう」
と、私より何倍も小さい体で言ってきたあの子
狭い狭い穴を抜け、見えた世界は眩しくて
いつも、声がしていた女の人が泣いていて
産まれてきてくれてありがとうって
その後出てきたあの子は動かなくて
大きな声で泣いたんだ
「行ってらっしゃい、またね」
って
私を嫌う奴なんていていいわけない。
毎日、機嫌とって悩み聞いて阿呆みたいに
全力で気に入られるために動いて。
自分を二の次にしてるって言うのに。
それなのに、偉そうに私を嫌うなんて許されない。
一丁前に、傷つけてきてさ
自分は被害者ヅラでしょ
こんな思いしたくなかったから、
気に入られるために動いてたのに。
まぁ、とりあえず
命尽きるまで私を嫌う奴を
私も嫌うことにする。
上手くいかなくたっていいってさ
成功するって絶対思ってないから出てくる言葉でしょ?
だからね、私はちょっと苦手だよ
病室に入るとね、すごく落ち着くの。
ここなら、辛いって言うと皆が心配してくれるから。
病気じゃない人に病人の気持ちなんてわかるわけないし、逆に病人の私にも元気でいることの辛さはわからない。
互いに違えば探りながら話さないといけない。けど、ここには仲間しかいないから。本当であれる。
もし仮にだめだったとしても、また上で会える。仲間だから。
だから、私は病室が落ち着くの。
分かってる、無理だと分かってるけどもどりたい。
みんなから、無償の愛をもらうことができていた日に。
その愛にたいしてもっと大きな愛を返せていたころに。
たとえ、誰かを敵に回すことになったとしても貴方にいっぱいの大好きをあげたい。
でもそんな勇気はないの。
ごめんね、ほんとにごめんね
どんなにムカついても貴方からたくさん貰った愛であなたを突き離す事ができないの。
誰もかけてほしくない。だれともお別れしたくない。
くるしいよ…
その思いにしっかり蓋をして今日もまた
なんでもないふりをする。