「明日世界が終わるなら…残りの時間をどう過ごす?」
帰宅するなり娘が私に聞いてきた。
そんな世界線は、正直困る。
15年コツコツ積み立ててきたNISAが塵芥となってしまうではないか…いや、残り15年の住宅ローンも塵芥か…相殺だな。
払い続けてきた年金も塵芥か…まあ、システムが終わってるし、遅かれ早かれ塵芥だな、アレは。
あ!娘に貸してる10万円も塵芥って事か。早く返せよコノヤロウ。
あぁ!今月クレカ引落し予定のPC代50万円も塵芥か!悪くない。
しまった!そんなことになるならば、先々月購入した車もローン払いにしとけば良かったなぁ⤵…株の売却益での支払いは早計だったか、ちくしょう。
などと、仕事用のカバンを左手にぶら下げたまま、妄想の世界に飛び込んで一喜一憂する私。
どうやら、その思念が声となり外界に漏れ出していた。
去り際に「世界…小さっ!!!(笑)」と娘。
……。
分かってないな。
つまるところ…この世界は小さな世界の集合体なのだよ。
─── 明日世界が終わるなら… ───
アジフライにはソースを。
ハヤシライスには粗びき黒胡椒を。
豚骨ラーメンには豆板醤を。
唐揚げにはピエトロドレッシングを。
焼き海苔にはチーズを。
味蕾細胞が覚醒したよ。
君と出逢って、
〜 君と出逢って、〜
40を超えたあたりからであろうか、耳から無音が消えた。
常に耳が音をとらえる。
「し」と「ち」と「つ」が混じり合わさった様な響きが。
若い子達は多分わからない。
これは歴戦の者にしか聞こえない「老いの音」
時に鬱陶しくあるけれど、いつも私と共に居てくれる。
だから寂しさは半減した。
歳をとるのも、案外悪くはない。
〜 耳を澄ますと 〜
心模様は視点に現る。
良い時は上に。
悪い時は下に。
何も考えていない時はニュートラル。
不安な時は右往左往。
先ずは落ち着いて。
そして雲が流れる様を追ってみて。
あなたの少年少女時代はよく見てたでしょ?
風も木々も人の心も、時にざわめくモノだから。
——— 心のざわめき ———
三寒四温は訪れている。
足音も聞こえ始めている。
しかしながら、土壌が絶滅危惧種の私の街で、その姿形を捉えることは難しい。
それでも、どうしても、この大都会で、春を真っ先に迎えに行きたいのならば、耳鼻咽喉科を覗くしかない。
——— 君を探して ———