何気ないふり一つで、その人の心理、人格的情報を読み取れる事もある。
何気ないふり一つで、人を喜ばすことも傷付けるきともできる。
何気ないふり一つで、国によってのタブーに触れてしまうこともある。
それだけの意味を持つのに、人間は“何気ないふり”と言っている。
選択者が選んだ結末は、すべて選択者の望んだハッピーエンドである。
選択には異論者が居て、その先にあるバットエンドを見せるのである。
どちらにとってもその結果が、最高のハッピーエンドなのだ。
満足したかい?
私は、ないものねだりをした。
モノクロの中の、彼の人の帰ることを……。
人では無い私だからこそ、どんな形であれ、希望があると願って……。
でも、やっぱり……。
……ないものねだりだった……。
ポツポツと傘に当たる雨の日。
私は今日も待ち続ける。
あの頃の約束を果たすため。
ポツポツと傘に当たる雨。
私は今日も待ち続ける。
頬を伝う涙が、雨と同化しても。
ボツボツと傘に当たる雨。
私は今日も待ち続ける。
私の見つめる先は晴れ、きっと雨雲が流れることもないだろう。
ポツリ、ポツ……。
雨が止む。
私の見つめる先は雨。
もう待つことはない。
待ち人は濡れた姿でやって来る。
そうして、約束は果たされた。
私は想い出。
過去は雨に消され、今は光に描かれる。
振り向かれなければ、笑顔を見せられない。
晴れ、ところにより雨。
私が涙に濡れる限り、あなたは光に温められるだろう。
運命のその時まで、私は雨の中、ずっと待ち続けています。
その人間は、背中に負う傷は恥と教えられてきた。
だから、何事にも正面から相手と同じ土俵に立って向かい、決して背を見せずに堂々と負ける事もあった。
その人間は最後の時に背中に傷を負い死んだ。
しかし、表情は穏やかで後悔は見えなかった。
その人間は、必ずしも背に負う傷が恥ばかりではないと知った。
人生でもっとも大切で、命と引き換えに守ると己に誓うだけのこと。
そんな特別な存在が、この行動をさせ、守ることができたのであった。