『あなたに届けたい』
あなたに伝えたいことが、届けたい想いが沢山あるの。
いつも、優しくしてくれてありがとう。
いつも、笑わせてくれてありがとう。
いつも、励ましてくれてありがとう。
いつも、愛をくれてありがとう。
あの日、素直になれなくてごめんなさい。
あの日、嘘ばかりついてごめんなさい。
あの日、あなたを傷つけてごめんなさい。
あの日、あなたを置いて逝ってごめんなさい。
嗚呼、どうかまだ消えないで。あと少し、あと少しだけ。この想いがあなたに届くまで。
『私だけ』
⚠閲覧注意⚠
( 病み etc )
「なんで私だけなんの才能もないんだろう」
学校の帰り道、私の愛する人はそう呟いた。
「なんで私だけ可愛くないんだろう」
暗い顔をしながら呟く私の愛する人。
「なんで私だけ報われないんだろう」
「なんで私だけ誰にも見てもらえないんだろう」
今にも泣き出しそうな声音で呟く私の愛する人。
「なんで私だけ誰にも愛してもらえないんだろう」
そう言って涙を流す私の愛する人。
「大丈夫だよ。あなたがどんなに才能がなくても、どんなに可愛くなくても、どんなに報われなくても、私だけはあなたを愛してるよ」
私の言葉に声をあげて涙を流す私の愛する人。
かわいいなぁ。もっともっと苦しませて、私だけしか見えないようにしてあげなくちゃ。
私に必要なのはあなただけ。
だから、あなたに必要なのも私だけでいいんだよ。
私だけがあなたの味方。
私だけ。私だけ。
『この道の先に』
家出をした。
両親から入学祝いに買って貰ったスーツケースに最低限の荷物をつめて、履きなれたローファーを履いて深夜2時、家を出た。
私の両親はとても優秀で父は教授、母は銀行員だ。だからなのか、成績にとても厳しい。
学年3位以内に入らないと長時間説教をされる。
学年3位以内に入らないと約立たずだと罵られる。
学年3位以内に入らないともっと努力しろと怒鳴られる。
でも。
学年3位以内に入ると当たり前だと言われる。
学年3位以内に入るとやっと役に立ったなと言われる。
学年3位以内に入るとお前の価値はこれだけだと言われる。
そんな暮らしはとてもつらかった。
家を出よう。
ある日ふとそう思った。いや、何回も思ったことがあるけれど、ここまで強く思ったのは初めてだった。
多分、限界が来ていたのだと思う。
だから私はみんなが寝静まった深夜2時、家を出た。
外は真っ暗で道の先もよく見えない。
歩き慣れた道だけど、何かが吹っ切れたからなのか、何処か違う気がした。
この道の先に何が待っているかはわからない。
だけど、縛られる人生はもう飽きた。
私の人生は、私の道は、誰かに縛られていいものじゃない。
強くそう思った。
「よし、行こっ」
私はそう呟いて歩き出した。
『何もいらない』
⚠閲覧注意⚠
( 鬱、病み etc )
「あの方、心を病んでしまったそうよ」
「お仕事にも行けずに引きこもっているそうね……」
「あの2人、とても仲の良い夫婦でしたものね」
「えぇ。 可哀想に……」
みんなは僕を可哀想だと言う。
ご近所さんや友人、家族。様々な人が、そう口にする。
僕にはその意味が理解出来ない。
だって、僕には優しくて可愛い妻がいるから。
妻がいるから、毎日毎日笑顔でいられる。
妻がいるから、毎日が幸せで溢れている。
妻がいるから、どんなに苦しくても頑張れる。
こんなに幸せなのだから、可哀想なわけがない。
妻がいれば他に何もいらない。美しい光を放つダイアモンドも、高級な布を使った洋服も、何もいらない。
僕は妻がいるならそれでいい。
妻だけが僕の生き甲斐だから。
#生き地獄か天国か_④
──── END ────
『無色の世界』
君がいなくなってから何週間が、何ヶ月が経っただろうか。
君がいた世界はとても華やかで輝いていたのに。
今は真っ暗で、何も見えないんだ。
笑い方や、楽しいという感情、喜びを忘れてしまったんだ。
朝起きて、何も食べずに仕事に行く。
夜遅くまで働いて家に帰る。
酒を飲んで、つまみを食べて、死んだように眠る。
そんな毎日なんだ。
君がいた時は、笑顔が絶えることなんてなかったのに。
君がいた時は、毎日が幸せだったのに。
君がいた時は、どんなに苦しくても挫けることはなかったのに。
君は、いつ、帰ってきてくれますか。
#生き地獄か天国か_③