ー静寂に包まれた部屋ー
「あはははっ、おいマジかよ」
「おーーいここここ!」
「よっしゃあ、」
「強すぎるだろ」
「あーーっ」
「ヤバいヤバい」
何をしているのだろう。
窓を開けたらそこにある。
同級生が
何のためでもなく
ただ騒いでいる。
私はただ四方壁に囲まれた
人につくられた部屋に籠って
人に書かれた本を読んで
ショウライのためにと
人に教えられたことを学ぶ。
何も誰も
自ら動こうとしない
静寂の部屋で
私を動かしてくれる
誰かを待っていては
部屋の壁より
私の心の壁が高くなって
自分が出ることも
誰かが入ることも
出来なくなるのだろう。
「ここ前に来た時はライトアップされてたよな」
ー前に、来た、?ー
私が首をかしげる。
すると、君はわざとらしく
「あぁ、似たとこだったかな」と言った。
違う。私と夜に外に出かけたことなんかない。
「行ったことないと思うけど?」
「デジャヴかな」そう言って口角をあげる君。
目が笑っていない。
あぁ、この顔…
見たことある。デジャヴなんかじゃない。
「そっか、嘘つき。」
今更「好きだ」なんて
デジャヴはやめてね、
全部元から無かったんでしょう
ー秋ー
秋の桜の
寂しさの風に
かんたんに左右されない
細い茎と花びらに
君と私の儚さを咲かせて
お花見をしようか
寂しさの空に
春の桜の花びらのように
舞い、散り、嘆き、
大きく見せることなど
枯れ葉と同じに捨ててしまえ
―形の無いもの―
「形の無いものだって
大事にしたいじゃん」
泣きながら
君はそう言って
手でしかくをつくって
あの日僕と見た秋桜畑の景色と
僕をフレームにいれた。
君には秋桜と
寂しげな空しか見えてないのだろうけど。
僕の涙は……
見えて欲しくないかな、、、
―ジャングルジム―
どこに手をかけたって
上には届くはずなのに
あの頃は
遠回りしたかったんだよな
手に着いたツンとした鉄の匂いは
今はお金を握った後に
思い出すくらいだもんな
こころを
ジャングルジムの檻に
置いてきたのかもな