9/28/2024, 1:59:17 PM
「ここ前に来た時はライトアップされてたよな」
ー前に、来た、?ー
私が首をかしげる。
すると、君はわざとらしく
「あぁ、似たとこだったかな」と言った。
違う。私と夜に外に出かけたことなんかない。
「行ったことないと思うけど?」
「デジャヴかな」そう言って口角をあげる君。
目が笑っていない。
あぁ、この顔…
見たことある。デジャヴなんかじゃない。
「そっか、嘘つき。」
今更「好きだ」なんて
デジャヴはやめてね、
全部元から無かったんでしょう
9/26/2024, 2:31:03 PM
ー秋ー
秋の桜の
寂しさの風に
かんたんに左右されない
細い茎と花びらに
君と私の儚さを咲かせて
お花見をしようか
寂しさの空に
春の桜の花びらのように
舞い、散り、嘆き、
大きく見せることなど
枯れ葉と同じに捨ててしまえ
9/24/2024, 10:48:22 AM
―形の無いもの―
「形の無いものだって
大事にしたいじゃん」
泣きながら
君はそう言って
手でしかくをつくって
あの日僕と見た秋桜畑の景色と
僕をフレームにいれた。
君には秋桜と
寂しげな空しか見えてないのだろうけど。
僕の涙は……
見えて欲しくないかな、、、
9/23/2024, 10:37:55 AM
―ジャングルジム―
どこに手をかけたって
上には届くはずなのに
あの頃は
遠回りしたかったんだよな
手に着いたツンとした鉄の匂いは
今はお金を握った後に
思い出すくらいだもんな
こころを
ジャングルジムの檻に
置いてきたのかもな
9/22/2024, 12:44:43 PM
―声が聞こえる―
声が聞こえる、
君の声が、
私が初恋した、君の声が、
その声が私に向けて―
ではなかった。
君は優しく違う人を
そっと、
自分の方へ寄せていた。
だよなぁ、と
切ない笑みを浮かべてその場を去る。
その瞬間、
時空が歪むような感覚がする。
頭にさっきの画像が
張り付いて
ぼやけて
私は瞳を開いた。
朝5時半。
濡れた枕から起き上がる。
今は君の声も
忘れてしまった。