―声が聞こえる―声が聞こえる、君の声が、私が初恋した、君の声が、その声が私に向けて―ではなかった。君は優しく違う人をそっと、自分の方へ寄せていた。だよなぁ、と切ない笑みを浮かべてその場を去る。その瞬間、時空が歪むような感覚がする。頭にさっきの画像が張り付いてぼやけて私は瞳を開いた。朝5時半。濡れた枕から起き上がる。今は君の声も忘れてしまった。
9/22/2024, 12:44:43 PM