明日世界が終わるなら
教えてくれてありがとう
人生をかけて集めた
卑猥なデータを消去する手間が省けた
と、世の男性は思った。
念願の宝島を発見した!
そこには時価総額10億円の金銀財宝が眠るという。
博士は興奮した面持ちで古い地図を見つめた。
68歳。苦節45年。
妻子にも大学にも愛想をつかされた。
冒険費用ばかりかさみ貧乏暮らしの
惨めな生活だった。
これで自分を否定したヤツらを見返してやる!
プライドも地位も家族も捨ててきた男は強く決意して宝島を目指した。
当日…
助手がなかなか来ない。
博士がイライラしていると、
スマホが鳴った。
「キャンセルしたい」
という助手からの連絡だった。
博士が驚いて理由をたずねるが、
助手はモゴモゴと
なんとも歯切れの悪い言い訳を繰り返した。
博士は怒って
「ふざけるなっ!」
と、電話を切った。
少し落ち着こうと一服していると
チラリと新聞の見出しが目に止まった。
「宝くじ史上最高額8000億円当選者現る!」
見出しには驚いたが、
当選者の名前を見てさらに飛び上がった。
「君に出逢えて良かった」
博士はつぶやき、そそくさと宝島の地図をカバンに収めた。
プライドも地位も家族も捨ててきた男は強く決意して彼を目指した。
私の財布は
今日もカラフルである。
「カラ(空)」+「フル(満ちた)」
楽園を目指す二人の冒険家がいた。
冒険家A「よし!冒険の準備だ!」
冒険家B「何からそろえれば良いんだ?」
冒険家A「ネットで調べよう」
冒険家B「どこで買えば良いんだ?」
冒険家A「ネットでそろえよう」
冒険家B「お腹が減ったな〜」
冒険家A「ネットで注文しよう」
冒険家はまだ見ぬ楽園にワクワクしていた。
河川敷を散歩していると、
小さな女の子がタンポポの綿毛を
必死で飛ばそうとしていた。
口が小さくてまだ上手く息を吹きかけられないのか、なかなか上手く飛ばない。
隣のお婆さんが微笑ましそうな面持ちで
「どれどれ、かしてごらん」
と、いうように女の子からタンポポを受け取った。
お婆さんは思いっきり鼻から息を吸った。
と同時に咳込み倒れた。
私は驚いて駆け寄った。
どうやら綿毛が鼻に入ったらしい。
女の子は状況が分からないのか、
呆然と立っている。
私はお婆さんの背中をさすった。
少しして、お婆さんの鼻から1本の綿毛が風に乗って飛んでいった。
それから私はタンポポを見ると
あの頃の女の子が
「綿毛の飛ばし方」にトラウマを抱えていないだろうかといささか不安を感じる。