小さな命 物憂げな空 です
小さな命
「ストップ」
「わっ」
キミと公園を散歩していると、急にキミに腕を取られる。
「ど、ど、ど、どうしたの?」
突然のことに驚いて、ドギマギする僕に
「急にごめんね。ね、これ見て」
キミは下に向けて指をさす。
「あ、つくし」
キミが指さした先。そこに、小さいつくしが顔を出していた。
「つくしを踏みそうだったから」
「そっか、止めてくれてありがとう。小さな命も大事にしなきゃね」
「うん」
小さな命を踏まないように、その後は足元を確認しながら散歩したのだった。
物憂げな空
「あー、余計に気が滅入りそう」
仕事に行くため外に出ると、物憂げな空が広がっていた。
昨日ミスして、それじゃなくても行きたくないのに、余計に行くのが憂鬱になる。
「休んじゃおうかな」
そんな気分になったけれど
「いや、今日行かないと、行けなくなりそう」
気持ちを切り替え前を向く。
「私の代わりに、空が物憂げになってくれてるんだよね」
暗い気持ちを空に託し、仕事へ向かうのだった。
Love you
「じゃあね。Love you」
バイバイ。の代わりに僕が友だちに言う言葉。
じゃあね、バイバイ。って言うより
じゃあね、大好きだよ。って言う方が、友だちへの好きが伝わるかな。って思って、小説を読んでこの言い方を知ってから、使っている。だけど
「いつか…はね」
今はLove youを使っているけれど、I love you、私はあなたを愛してます。と伝えたい人がいる。
その人へ I love youが言えるように、Love youと想いを伝え続けたい。と思うのだった。
太陽のような
「あぁ~。明日の商談、上手くいくかなぁ」
と、頭を抱えていれば
「大丈夫だよ。上手くいくから自信持って」
僕の肩を叩き、微笑んでくれ
「どうしよう、ミスしちゃった」
と、落ち込んでいれば
「気をつけても、ミスは誰にでもある。あなたなら挽回できるよ」
笑顔で励ましてくれる。
どんなときでも、太陽のような温かさと笑顔で僕を包んでくれるキミ。
キミの笑顔を守るためにも、頑張ろうと思うのだった。
0からの
「…今日はいつもより暖かいな」
いつもは車で出勤するのだが、車をメンテナンスに出しているため電車で行くことになり、駅まで歩いていた。
「春が近いのかな。ま、そろそろ3月だしな」
柔らかな日差しを浴びながら向かっているが、春を感じて不安が沸き上がる。
「この景色も、もうすぐ見れなくなるのか…」
4月からは転職し、別の場所へ引っ越す。
「0からのスタートか」
経験のない職種。不安の方が大きいが、頑張ろうと思うのだった。
同情
「しなくていいよ、同情なんて」
仕事でミスし、上司に怒られたキミは、屋上で泣いていた。
「自分の力を過信しすぎた私がバカだったんだよ。私ならできる。って。実力もないくせに」
両手で顔を覆い、わめくキミの言葉を僕は黙って聞いている。
「もう、仕事したくない。私なんかができる仕事なんて、ありっこない」
怒られたことが堪えたのか、自信をなくしたキミ。そんなキミに
「失敗なら誰にでもある。その失敗を糧に、次は頑張ろう」
自分なりの慰める言葉を伝えるけど
「ムリだよ。私になんて…」
やっぱり、落ちた気持ちはすぐには浮上しない。
「ムリじゃないよ。キミならできる」
それでも、僕の気持ちが伝わるように、言葉を重ねる。
「でも、」
「今回はさ、キミが1人で頑張ってしまったからだよ」
「え?」
「頑張るキミを見ててさ、1人で頑張らずに、周りに頼ってもいいのに。って思ってたんだ。大変そうだし、疲れてそうだったから」
「…」
「それをわかってて何も言わなかったのは、キミの、1人でやり遂げるぞ。って気持ちが伝わったから。だからさ、1人でできるなら頑張って、ムリそうなら周りを頼ってよ。ね」
そっとキミの髪を撫でると
「ありがとう」
さっきまでとは違い、キミは小さく呟く。
立ち直ってくれるといいな。と思いながら、キミが落ち着くまで、そばにいたのだった。