「一緒に写真撮ろう」
コートを羽織らないと寒い中、高校の卒業式が終わり、友達と写真を撮っていた。
「あっという間だったね」
「そうだね。早かったね、3年間」
そんな話をしながら、校舎や風景を撮っていたら
「名残惜しいのはわかるけど、そろそろ帰りなさい」
担任の先生がやって来る。
「あ、先生。一緒に写真撮ってください」
とお願いすると
「いいよ」
快く承諾してくれる。
「ありがとうございます」
先生と写真を撮り
「じゃあ、そろそろ帰ろうか」
荷物を持ち、先生に
「先生、さよな…」
「ちょっと待って」
挨拶しようとしたら、止められる。
「どうかしましたか?」
「うん。君たちは卒業生だから、明日からはここに来ないでしょ」
「はい」
「いつもなら、さよなら。でいいんだけど、卒業生にさよなら。って言われると何だか淋しくてね」
「先生…」
「だから、さよならは言わないで、こう言って欲しいんだ。2人とも、またね」
「はい。先生、また会いましょう」
笑顔で先生に手を振り、学校を後にした。
温かい陽射しが降り注ぐ窓際で
僕は1人、戦っていた。
「ぽかぽかな陽射しに負けちゃダメだ。負けたら怒られるのは目に見えている。でも、でも…」
お昼ご飯を食べ、お腹が満たされている中、仕事に取り掛からなければならないのに。
降り注ぐ光と、目を閉じれば闇。という、光と闇の狭間で、僕は睡魔と戦うのだった。
泣かないで と 距離 です。
泣かないで
「すみませんでした」
涙を流しながら、キミは頭を下げる。
「何とかなったし、大丈夫だよ」
安心させようとキミに笑顔を向けるけど、キミの涙は止まらない。
「俺も、キミくらい、仕事に慣れてきた頃にミスをしたことがあってね。上司に助けてもらったんだ」
「…そうなんですか?」
「ああ。謝る俺にその上司は、誰にでもミスはある。次からはミスしないようにしてくれればそれでいい。俺はキミの上司だからね。ミスをした部下の面倒をみるのも俺の仕事。キミが頑張ってくれてるのはわかってるから、気持ちを切り替えて、また一緒に頑張ろう。って言ってくれてね」
「………」
「二番煎じで悪いけど…キミが頑張ってるのはわかってる。何かあったときにはフォローするから、ミスを恐がらず、仕事を一緒に頑張ろう。ね、もう泣かないで」
キミの目を見つめると
「はい。ありがとうございます」
目に涙を溜めたまま、キミは微笑むのだった。
距離
休み時間。
廊下で友達と楽しそうに話すキミを見かけた。
「あ…」
俺に気づいたキミは俺に手を振ってくれる。
俺はそれに片手を軽く上げ、応える。
これが俺とキミとのいつものやり取り。
仲の良い幼なじみ。として有名な俺たち。
2人で並んで歩いていても、周りからは、仲が良いね。
と言われるだけ。
正直言って、キミに片思い中の俺には、その言葉は痛い。
隣にいるのに、キミとの距離が遠く感じる。
幼なじみとして、隣にいられなくなる。
その恐怖は感じるけれど、このまま、ただの幼なじみでいるつもりはない。
誰かに取られてしまう前に、想いをキミに伝えようと思うのだった。
白い息を吐きながら、キミと会社までの道を歩く。
「寒いね」
キミは、コートのポケットに手を入れ、身を縮こませる。
「そうだね。吐く息が白いと、冬のはじまりを感じるよ」
「あー、会社なんて行かずに、家に帰りたい」
手袋をした両手に息を吐くキミに
「そうだね。でも、仕事だから仕方ないよ」
そう言うと
「わかってるんだけどさ」
キミは不満そうな顔をする。
「少しでも寒くないようにするからさ、頑張ろう」
キミに笑いかけると
「…どうやって?」
首を傾げるキミの手をギュッと握り
「少しはあったかい?」
と聞くと
「うん」
キミは嬉しそうに笑う。
「じゃ、行こう」
手をつないだまま、会社へと歩いたのだった。
今年もあと100日なんだって。
というのを聞いて、
それなら、その100日はこのアプリの課題を
忘れずにこなそう。
と決め、遅れることはあるものの投稿しています。
せっかく続いているこの日課。
来年も、終わらせないで続けていきたいと思います。