「ちょっと、寒いな」
僕の家で、おうちデート中。
外が暗くなるにつれ、寒くなってきた。
「暖房をつけようか」
僕がエアコンのリモコンを手にすると
「まだ、エアコンを使うほどは寒くないから」
と、キミは言う。
「でも…」
そのままだと風邪引いちゃうかも。と思って辺りを見渡すと、ソファに置いたままのセーターが目に入った。
「良かったら、これ着て」
セーターをキミに渡すと
「ありがとう」
キミは嬉しそうに笑って、袖を通す。
「あ、あったかい」
長い袖をぷらぷらとさせるキミに
「こうすると、もっとあったかいよ」
僕は笑って、キミをギュッと抱きしめたのだった。
落ちていく。
心がどんどん落ちていく。
自分は何してんだろう?
何がしたいんだろう?って、考えても答えが出ない。
まるで、光の届かない海の底にいるみたい。
でもさ、そこまで落ちたなら、あとは浮上するだけ。
それだけだから、今は心のままに、落ちていてもいいんじゃない?
ムリしてもがいて泣くくらいなら、浮上するまでゆっくりしてよう。
大丈夫。落ちたならあとは浮上するだけ。
ゆっくりのんびり、歩いていこう。
愛するキミと夫婦になれて
これからずっと一緒にいられる。
そう思うだけで、僕は幸せを感じてる。
キミも、幸せを感じてくれてるかな?
そうだと嬉しいんだけど、そうだとするなら
もっとキミを幸せにするために
「ありがとう。と、ごめんなさい」
をきちんと伝えると僕はキミに誓います。
当たり前なこと。なんだろうけど、長く一緒にいると
言わなくても伝わるだろう。なんて、思ってしまいそうだから。
愛するキミを悲しませないように。
小さなことでも、僕はキミに伝えるね。
宝物 と どうすればいいの?です。
宝物
「ただいま」
玄関を開けると
「おかえりなさい。お疲れさまでした」
笑顔で迎えてくれるキミがいる。
明かりのついた家に愛するキミがいて
仕事の疲れが消えていくほど幸せを感じられる。
かけがえのない僕の宝物。これからも大切にしていくよ。
どうすればいいの?
どうすればいいの?
困るほど、こんなにやる気がなくて。
やらなきゃ。と思うのに、重い体は動かない。
好きなことしてるのに、イマイチ楽しいと思えない。
でもきっと、こんなときにムリをするのは逆効果。
ボーっと生きてんじゃねーよ。
と言われても、ボーっとする時間も大切だと思うから
焦らずムリせずゆっくり休んで
頑張る自分を、褒めて愛してやる気が出るまで気長に待ってましょ。
大丈夫。身体に元気がみなぎれば、自然と笑顔が増えるから。
だから、今は何も考えずに、体の力を抜きましょう。
たくさんの想い出とキャンドルです。
たくさんの想い出
「雑誌で見るよりキレイ」
はしゃぎながら、何枚も写真を撮っていく。
「写真撮るの好きなんだね」
「うん」
「でも、好きなのに何でカメラじゃなくてスマホなの?まあ、スマホもキレイに撮れるけど…」
スマホ片手に、写真を撮るのに夢中になっているキミに問いかけると
「よりキレイに写る方が、もちろん良いとは思うよ。でもそこは、私はこだわってないの」
と、よくわからない返事が返ってくる。
「どういうこと?」
「今撮っている写真は、メモのようなものなの」
「メモ?」
「そう。あなたと2人で色んなところに行くでしょ。でも、行けば行くほど、記憶力の悪い私は、忘れてしまうの。だから、少しでも覚えていたくてメモ代わりに写真で残してるんだ」
「そうなんだ」
「うん。せっかく連れてきてもらってるのに、こんなこと言ってごめんね。でも、あなたとの想い出をもっと増やしたいから、これからも一緒に出かけてくれるかな」
「もちろんだよ。これからも、たくさんの想い出を作ろうね」
俺はキミを抱き寄せ、一緒に写真を撮ったのだった。
キャンドル
キャンドルが煌めく道を進むと、進んだ先に、ウエディングドレスに身を包んだキミが待つ。
「キレイだ」
キャンドルの温かい光に照らされ微笑むキミは、泣きたいくらいにキレイで。
「ありがとう。あなたもステキだよ」
キミの隣に立つと、俺はキミの手をそっと取る。
「一緒に幸せになろうね」
「うん」
教会へ続くキャンドルの道を、2人で進むのだった。