ココロオドルほど楽しいとき。
目を赤く腫らすほど泣いているとき。
機嫌が悪そうなとき。
嬉しそうに笑っているとき。
どんなときも、僕はキミのそばにいるよ。
キミのそばで、一緒に笑って、一緒に泣いて、同じ道を歩いていきたい。
だからお願い、僕の手を放さないでいて。
大好きなキミにしか、できないことだから。
仕事がテレワークに移行し、自室にこもって仕事をしている。
一緒に暮らすキミは、ついで。だからと、仕事に出かける前に、俺の分の弁当も作ってくれていた。
美味しい弁当を作ってくれることに感謝をしているし、嬉しいが
「お疲れさま。少し休息しましょ」
と、仕事から帰ったキミが入れてくれたコーヒーと、用意してくれたお茶菓子で、二人で束の間の休息を取る。
この時間が、この上なく愛おしいと感じている。
力を込めて抱きしめたら、折れてしまいそうなほど華奢なキミが、肩を震わせ涙を流している。
「だいじょ…」
大丈夫?と言いかけて言葉を止める。大丈夫じゃないから、泣いているんだから。
なら、泣いているキミを目の前に、僕にできることは…。
そう考え、キミを包み込むように抱きしめると、キミは僕の胸にしがみつき、声を上げて泣き出した。
僕のしてることは間違ってないんだな。と、ホッとする。
これからもキミに頼られる自分でいたい。
そう思いながら、キミが泣き止むまで、優しく髪を撫でたのだった。
今は、ちゃんと前を向いて歩いているけれど、
キミと出会うまでの僕は、ボロボロだった。
辛すぎる失恋の痛みに、仲良さそうな恋人たちに嫉妬して、八つ当たりしたり…。
ホントに僕は最低な奴だった。
だけどキミに出会って過ごしてるうちに、素直な感情が出せて、泣くことができて、長年の失恋の痛みを流すことができた。
過ぎた日を想うと、反省すべきことの方が多いだろう。
余計に傷を深くするだけなのに、誰かを傷つけたり、心の傷をごまかすみたいに遊んでみたり。
けどそれも、痛い思いをさせてしまったことは本当に申し訳ないけれど、キミと出会うために必要なことだったんじゃないか。って今は思う。
キミと幸せな日々を送るための、プロセスだったんじゃないか。って。
夜空に輝く星の並びを、いろいろな形に例えた星座。
本やネットじゃなく、見に行こうか。という話になり、彼女と一緒に海に向かった。
「キレイだね」
海岸から見上げた空には、数えきれないくらいの星たちが瞬いている。
「星座、どれだろう?」
スマホでサイトを開きながら、夜空に広がる星を確認していく。
「あ、あれが…」
空に向かって指を差しながら見ていくけれど
「うーん、これってそう見えるかなぁ」
これがこの星座。と言われても、そう見えるような見えないような…。
「星座に名前をつけた人は、創造力が豊かなんだね」
「そうだね」
彼女と微笑み合う。
星と星を繋げて形に例えた星座。
僕も彼女と、星座のように、見えない線で繋がっていたいな。そう思いながら、彼女と手を繋ぎ、星を見上げたのだった。