大通りに面したビルに入っているカフェ。
仕事の日は、行きか帰りに寄るのが自分のルーティン。
目覚めの一杯を、朝日とともに味わうのも良し。仕事で疲れた身体を、夕日の温かな光と、香しい一杯で癒やすのも良し。
けれど、この窓から見える景色で自分が一番好きなのは、通学している学生を眺めること。
友達と楽しそうに話しながら歩いている。そんな姿に、自然と笑顔になっている自分がいる。
「よし、頑張ろう」
子どもたちにパワーをもらい、毎日仕事に励むのだった。
キミへの愛を形にして見せられたら、僕の想いを信じてくれるのかな。
「好き。とか愛してる。なんて、思ってなくても言えるでしょ」
って、疑り深いキミは信じてくれない。
だけど、僕がキミを想う気持ちに嘘偽りなんてない。
形の無いもの、僕のキミへの想いを証明してみせるのは難しいね。
だけど僕は諦めない。
言葉を信じてくれないなら、想いを態度で示すから。
いつか、僕の愛をキミが受け止めてくれる。そう信じて。
散歩しながら、買い物をした帰り道。
子どもの頃に遊んでいた公園が目に留まり、懐かしさから立ち寄ってみることにした。
「…ブランコって、こんなに低かったかな」
座ってみるも、足を伸ばさないと座れない。
「立ちこぎは、できなさそうだな」
足を伸ばせば、ブランコで遊べるけれど、子どもの頃によくやった立ちこぎは、頭をぶつけそうで、できそうもない。
「それだけ、でかくなったってことだよな」
ブランコを降り、ジャングルジムの近くのベンチに荷物を置き、ジャングルジムに登ってみると
「登るの簡単だな」
呆気ないほど、簡単に登れる。
「あの頃は、登るのに一生懸命だったのになあ」
頂上を目指し、手を伸ばしたあの頃。今では、手を伸ばすだけで頂上に届いてしまう。
「けど、あの頃も今も、ここから見える景色は変わらない」
目まぐるしく動く日々の中、変わらない景色を目に、何だか穏やかな気持ちになる。
「また、来ようかな」
頂上から見える景色を眺めながら、そんなことを思うのだった。
どうしたら、キミは俺のことを信じてくれるの?
どんなに気持ちを伝えても
「そんなの、口だけでしょ?」
って、信じてもらえない。
キミが過去に、恋人から辛い思いをさせられ、誰の言葉も信用できなくなっていたことは、知ってる。
でも、前と同じように、笑えるようになった今なら、気持ちを伝えても受け取ってくれると思ってたのに…。
ねえ、どうしたらキミは、俺のことを信用してくれるの?
キミへの想いが詰まった俺の心が透明だったら、俺の心をキミに見せ、伝えてる想いが嘘じゃないって、信じてくれるのかな。
僕とキミが出会って、惹かれ合って紡いでいく恋物語。
出会わなければ、お互いに好きにならなければ、それは始まらない。
僕とキミだけにしか書けない恋物語。
唯一無二の物語を、ずっとずっと書き綴っていこう。