[M]BudEnd厨

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4/5/2026, 12:55:19 PM

雨、振ってるなあ

つぶやく声は雨に吸収されて僕だけに留まる。

あの時みたいだ。

吹き抜ける風が僕の首筋を撫であげて

それと酷似した君の体温を思い出す。


空を見上げて、

横顔を見て、

こっちを見た瞬間にまた空を見て、

大して興味のない星の話を君がするだけで

いつまでも聞くことができた。

熱く語ったことをいつも謝っていたけど、

君の声に触れてる時間がとても幸せだった。


君に夜中に呼び出されるのはいつものことで、

それは晴れて星がよく見える日だった

僕は星ではなく君に会うために家を抜け出していたから

何も気が付かなかった

その時だけ

曇で、今にも雨が降りそうな空だったなんて


消え入りそうな声で僕の名前を呼んで

それは変わらず美しい声で、

僕に何かを求めてて、


君がこちらに手を伸ばすことを天が遮るように雨が降り始めて

君は何かを吐き出すように口を動かし、顔を動かした。

子供の僕には何もわからなかったけど、


いつも穢れることのない、屈託のない笑顔。

それが歪むのがどれほど美しいかだけは理解できた。


雨が強くて声が全然聞こえない。

僕は君に

「 ______ 。」



この言葉はきっと君には届かなかったのだろう。

声を届けるために君に近づく。

君は一歩後ず去る。







あっ







僕は何もわからない。

君の小さな叫びもきっと雨で聞こえなくて、

君の後ろに見える"赤"が雨で薄まって

白くて綺麗だなとか

君はこんな時でも空を見上げるんだなとか

そんなことを考えているうちに雨は止んで。


僕は君のもとまで気をつけて降りて、

横に寝転び、

君の方を向いてもう一度呟く。





「君のその顔綺麗だね。」


高揚した頬を抑さえることはできず、

そのまま暫く眺めたあとにそっと抱きつく。


柔らかい肉と冷たさと、"赤"の匂いが

僕の記憶に深く刻みつくようにじっくりと味わった。






その日の雨とよく似た今日。

君に会いたくなる。

家を抜け出す。


また、

君の存在を感じるために。



だけどきっと、あの日みたいに雨が止んで星空が見えることはないだろう。

4/4/2026, 1:01:05 PM

いつだって君は僕の腕の中にいた。

小学生の時も

お風呂に入った時も

遠足の時も

修学旅行のときも

喧嘩した後も

いつだって、



どれだけ大きくなろうとも君はずっとそばにいたし、

それ以外の考えが浮かぶはずがなかったんだ。

大学が違うだなんて思ってもいなかった。

君は僕から逃げようとした訳じゃない。

“ちょっと”だけ間違えちゃっただけで、


僕だって怒っていないんだよ。

間違いは誰にでもある。


ぎゅっと君に回す腕に力がこもって、君は苦しそうな顔をする。

そうだよね、君だって離れるのは嫌なんじゃないか。

僕の想いが伝わってよかった。

言葉に出さなくったって僕には伝わるよ。

きっと君もそう望んでいるのだろう?

だってもう反対する声は聞こえないのだから。





あれ、


どれくらいだろう?

どれくらい、

僕は君の声を聞いていない?

少しくらい話してくれてもいいんじゃないかな、



冷え性の僕を温めるために腕の中におさまった、

子供の頃のやけに体温の高い君。


いつから、

こんなに冷たいのだろう ?


僕はぎゅっ と 、ひんやりとしたツボを抱きしめ、

「ねえ、話してよ。」

僕の問いに答える君の声は聞こえず、

ツボの中の“軽い何か”が

カサッ と擦れ合わさる音を鳴らした。





きっとこれで大丈夫。

これでいい。

これが正しいんだ。


「それでいいんだよ。」

それだけの君からの肯定が僕には一生届かない。