いつだって君は僕の腕の中にいた。
小学生の時も
お風呂に入った時も
遠足の時も
修学旅行のときも
喧嘩した後も
いつだって、
どれだけ大きくなろうとも君はずっとそばにいたし、
それ以外の考えが浮かぶはずがなかったんだ。
大学が違うだなんて思ってもいなかった。
君は僕から逃げようとした訳じゃない。
“ちょっと”だけ間違えちゃっただけで、
僕だって怒っていないんだよ。
間違いは誰にでもある。
ぎゅっと君に回す腕に力がこもって、君は苦しそうな顔をする。
そうだよね、君だって離れるのは嫌なんじゃないか。
僕の想いが伝わってよかった。
言葉に出さなくったって僕には伝わるよ。
きっと君もそう望んでいるのだろう?
だってもう反対する声は聞こえないのだから。
あれ、
どれくらいだろう?
どれくらい、
僕は君の声を聞いていない?
少しくらい話してくれてもいいんじゃないかな、
冷え性の僕を温めるために腕の中におさまった、
子供の頃のやけに体温の高い君。
いつから、
こんなに冷たいのだろう ?
僕はぎゅっ と 、ひんやりとしたツボを抱きしめ、
「ねえ、話してよ。」
僕の問いに答える君の声は聞こえず、
ツボの中の“軽い何か”が
カサッ と擦れ合わさる音を鳴らした。
きっとこれで大丈夫。
これでいい。
これが正しいんだ。
「それでいいんだよ。」
それだけの君からの肯定が僕には一生届かない。
4/4/2026, 1:01:05 PM