『スノー』
数年ぶりに雪が降った。
たまたま、私もあなたもお休みの日だった。
お庭に出て、舞っている雪を嬉しそうに見ている、
あなたの横顔に思わず見惚れた。
5分もしないくらい、はしゃいでから、
寒いね、と言って家に入った。
コタツに戻って、一緒にアイスを食べた。
とても、とても幸せ。
次に雪が降る年も今日みたいに過ごしたい。
『夜空を越えて』
とても近くにあるように見える夜空に手を伸ばした。
当たり前だけど、
星に届くはずはなくて、掴むことも出来なかった。
私とあなたの距離は、
少なくとも夜空よりは近いはずなのに、
手を伸ばしても、伸ばしても、届かない。
何故か夜空よりも遠くにあるように感じる。
夜空よりも遠くにいる何光年も先のあなたへ、
太陽に照らされた月の光のような、
そんな光をあなたへ送る。
『ぬくもりの記憶』
どうしても私の記憶から消えることはない。
おそらく、忘れることが出来ない。
今はもうないぬくもりは、
私を暖めてくれる時もあれば、私を苦しめる時もある。
早く忘れてしまいたいと思う時もあれば、
ずっと私の記憶に居続けて欲しいと思う時もある。
寒い日に手を繋いで帰ることも、
少し大きめのベッドにふたりで寝ることも、
少し遅くなる日 には、
温かいご飯を作っていてくれたことも、
全部全部、私の中に染み付いている。
どうして急にいなくなってしまったの?
どうしてそちらに行ってしまったの?
私をひとり置いて行かないで。
私も連れて行って。
『凍える指先』
毎年毎年、冬になるとどうしても指先が冷たくなる。
全然暖かくならなくて、カイロが必須だった。
でもね、
去年からはカイロがなくても
暖かく過ごせるようになったの。
ね、これからもずーっと一緒にいようね。
『雪原の先へ』
あたり一面真っ白な世界。
私がひとり、立っていて、
これまで歩いてきた足跡も全て雪で覆われていた。
何も目指していない、どこも探していない。
どこに辿り着くかも分からない。
視界は全部白色で埋め尽くされていて、
木も建物も太陽も全てがない世界。
私が向かっている先には何かあるのだろうか。
どこからか音楽が聴こえてきて、
暖かい光に当たっているかのような空間が見える。
私が望むものが、そこにはあるのだろうか。