鏡花 水月

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『ぬくもりの記憶』

どうしても私の記憶から消えることはない。
おそらく、忘れることが出来ない。
今はもうないぬくもりは、
私を暖めてくれる時もあれば、私を苦しめる時もある。
早く忘れてしまいたいと思う時もあれば、
ずっと私の記憶に居続けて欲しいと思う時もある。
寒い日に手を繋いで帰ることも、
少し大きめのベッドにふたりで寝ることも、
少し遅くなる日 には、
温かいご飯を作っていてくれたことも、
全部全部、私の中に染み付いている。
どうして急にいなくなってしまったの?
どうしてそちらに行ってしまったの?
私をひとり置いて行かないで。
私も連れて行って。

12/10/2025, 11:45:19 PM